(1)ウクライナ戦争はウクライナ軍の反抗が伝えられて、露に支配されていた要衝領土の奪還、露軍の撤退が伝えられている。露のプーチン大統領はウクライナ軍事侵攻に対して、これまで何も始まっていないとこれから本格戦、長期戦を示唆しているが、ウクライナ軍の反抗が強まる中でどう出てくるのか、いよいよ露が逆に追い詰められて核攻撃の最終手段に打って出ることも考えられるが、露にもこれからの同盟関係国との関係、支援の期待もあり露の都合だけでは判断、決定できるものではない。
(2)この時にプーチン大統領はウズベキスタンで開催される同盟関係国首脳会議(上海協力機構)に外遊、出席する。中国の習主席も出席し中露首脳会議が開催され、露を孤立させない協力関係を示し、露には軍事弾圧政権のミャンマーが接近をみせて、米国と対立するイラン、トルコに加え露に兵器供給を依存するインドも関係維持をみせている。
(3)それぞれに国内問題でスネに傷を持つ強権、強圧、弾圧、依存政権がそろって、プーチン大統領に接近、すり寄って国際的批判、非難の隠れ蓑(みの)、みんなで集まれば(国際社会の批判、非難も)怖くないとでもいうようにプーチン大統領に接近、すり寄りをみせている。
これだけ国内に問題を抱えている国がこれまたウクライナ軍事侵攻で国際的批判、非難、経済制裁を受けているプーチン大統領に接近、すり寄るとなれば、誰の目にも世界からはじき出されて注視するプーチン大統領の陰に隠れる問題国の意図が明らかな態度だ。
(4)そこで冒頭に戻れば、こういうスネに傷持つ仲間国が結集して、いよいよプーチン大統領がウクライナ軍の反転攻勢を受けるウクライナ情勢でどう決断、決定するのか、こういう問題国の接近、すり寄りを頼もしく、頼りになる、加勢になると考えるのかは今後の展開に大きな要素となるだろう。
(5)こういうスネに傷持つ仲間国の接近、すり寄りがプーチン大統領にとって逆に国際的批判、非難を加速させ、負担、重荷となって判断、決定、行動を逡巡(しゅんじゅん)させることがないのか、あるいは力を得て大胆に打って出ることになるのかは国際社会としても注意深く見ていかなければならない。
(6)プーチン大統領の大ソ連邦復活の理念、構想は、ウクライナ軍事侵攻でも旧ソ連時代の暗い負の歴史を警戒させるものであり、中国との協力関係にスネに傷持つ仲間国の接近、すり寄りは米ソ冷戦時代のいまわしい対立、衝突、分断を連想させるもので、プーチン大統領にとっても加勢とばかりにはいかない。