大阪都構想の大儀。 justice of osaka metropolis plan

　(1)人口減少、地方過疎化、自治体財政難を改善するには道州制は避けられないと考える。比較恵まれた地方都市を核として財政難の市町村を機構一体化して行政サービスの効率化、均等化、均質化、共有化をはかり行政基盤を強化することは必要だ。

　それぞれの地域、市町村の特性、特色を埋没せずにどう活用するのかは理解し、知恵、工夫、思考しなければならない。

　(2)大阪維新の会にともに所属する松井大阪府知事と吉村大阪市長が橋下市長時代に一度は住民投票で否決された大阪都構想を再び住民投票で決着することを目指して、４月の統一地方選で府、市議会で過半数を目指す。

　大阪都構想は府と市の行政サービスの二重構造を廃して財政健全化、行政サービスの効率化、均等化、均質化を目指すものだが、前回住民投票では吸収される自治体、住民からは地域、生活、文化への愛着の強さから不安、懸念が強く、反対意思が強く否決されていた。

　(3)大阪圏域の住民、土地柄の特性、愛着が強く、大阪都構想の理解をどう求めていくのかは厳しいが、東京一極集中がさらに加速されて地方過疎化が進み人口減少、地方自治体の財政難が増える中で、大阪市を廃止して特別区に再編する行政機構改革の大阪都構想だ。

　東京に政治、経済、文化、人口が集中する中で政府機能の地方分散化も一部検討されているが、大阪都構想で政府機能が二分されて経済、人口の誘致が進めば東京一極集中の改善につながる期待もある。

　(4)一時は名古屋の中京圏、新潟圏の道州制構想、都構想も打ち上げられたこともあるが、国の法制化、県と市の思惑の違いなど乗り越える問題も多く立ち消えになっている。道州制機構改革が進めば人口減少、地方過疎化、自治体財政難対策の原動力（dynamism）となるものだ。

　大阪都構想の前回住民投票では推進する当時橋下大阪市長の強引な政治手法が受け入れられずに、住民の理解、不安解消が得られずに否決された。
　今回４月の統一地方選にあわせて大阪都構想を推進する松井大阪府知事と吉村大阪市長がともに辞職してダブル選実施により支持層を多数にして大阪都構想を前進、推進しようということが伝えられている。

　(5)しかも松井府知事も吉村市長も残り任期が今年末と短く、このため相互に首長を乗り換えて立候補しともに４年の任期を確保しようといわれる。かっての橋下府知事と松井市長の大阪維新の会内での相互乗り換え手法と同じ手法をとることになり、目的のために地方自治の理念、原理を度外視した政治手法の再現では住民の理解を得られるのかは大いに疑問がある。

　大阪都構想の理念、理想、利益、効果を備えた説得力のある主張、説明が大儀（justice）だ。