いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

あ然として。 agape

2019-03-09 20:28:14 | 日記
 (1)議会制民主主義の日本の国会予算委員会の質疑を否定する内閣法制局長官の発言にはあ然とさせられた(agape)。
 野党質問を受けた安倍首相が質問趣旨に沿わない答弁を展開して野党の質問時間を食いつぶす様に、野党質問者は聞かれたことだけを堂々と答えるよう要請して「国会議員の質問は国会の内閣に対する監督機能の表れだ」(報道)と質問時間の十分な確保を求めて、こうした趣旨の政府答弁書があるのか同長官に確認を求めた。

 (2)政府職員として陪席していた同長官が答弁に立って「このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えていない」(報道)と自ら解釈を述べた。
 国会予算委員会の質疑で議員でもない同長官が確認を求められたのに対して、聞かれもしない内容についての自らの考えを述べるなど考えられない前述の迷走答弁だった。

 国会予算委員会の質疑は野党議員による政府、内閣の政策、指針、理念を質す、追求する本格論戦の場で、厳しい、激しいやり取りが繰り広げられてしばしば審議が中断することもあり、閣僚の答弁内容によっては辞任、交代もある丁々発止の論戦の場だ。

 (3)こうした予算委員会のやり取りが内閣への監督機能の表れとして政府答弁書の確認を求められて、「このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えていない」と発言して物議を醸(かも)している。

 内閣法制局というのは政府の国会提出する政策、法案が憲法など法律に抵触していないのか判断する政府機関であり、国民から選出されて、委託を受けた議員のように国会で考え、方針を述べる立場にない政府機関であり、同長官が野党質問を「このような場で声を荒げて発言」として批判して越権行為として謝罪、撤回に追い込まれたものだ。

 (4)野党は不適任として同長官の辞任を求めたが、これには応じていない。広く国民に公開されている国会の予算委員会での同長官の不適切な越権発言であり、これが議会制民主主義を否定する堂々の発言では同長官の信任は崩壊しており、辞任交代は必要だ。

 こういう内閣法制局長官のもとでは国会の法案審議は成り立たない(同長官は集団的自衛権のの行使容認も追随した)。安倍政権、内閣では弱小野党による安倍1強政治を背景にこれまでも不適任閣僚の発言、省ガバナンス不足もみられるが、辞任交代はせずに職務を通して回復に努めるとしている。

 (5)しかし内閣法制局長官の予算委員会発言は、思想信条に及ぶ越権行為、発言であり、職務を通して回復できる範ちゅうのものでなく、不適任で責任をとるしかないものだ。

 安倍内閣の不適切な閣僚発言はおごり、たるみ、油断とか言われているが、資質の問題であり、政府ガバナンス(governance)が機能していないことを示しており、内閣法制局長官の国会予算委員会での不適任越権発言となって堂々と表れたものだ。

 (6)政府政治で議会制民主主義が軽んじられている。国民主権の危機だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする