いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

物別れ、決裂首脳会談。 the summit conference were broken off and down

2019-03-01 20:18:30 | 日記
 (1)27,28日とハノイで開催された2回目の米朝首脳会談は北朝鮮の完全非核化の道程、合意もない物別れ、決裂(broken off and down)で終えた。2日目の昼食会と共同声明の署名、共同記者会見が行われずに、両首脳とも早々に会場を後にした。

 北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)核施設の廃棄に対して安保理決議などの経済制裁の完全解除を米国に要求したといわれる。

 (2)北朝鮮の完全非核化を求める米国としては、寧辺核施設以外に二桁に及ぶ核関連施設があり、他にも衛星情報で知られていない核関連施設を把握しているとの情報もあり、とても寧辺核施設だけの廃棄という初歩的カードだけで経済制裁の完全解除という米国の最終切り札カードを切る、のむわけにはいかなかった。

 北朝鮮の要求は報道されているものとすれば、「子どもだまし」にもならない稚拙な要求であり、これではいくらトランプ大統領が首脳会談にあたって北朝鮮の経済開発、発展の可能性、潜在能力の高さを示唆して持ち上げたとしても、受け入れられるどころか検討の余地もない北朝鮮の要求だった。

 (3)昨日から今日の報道での専門家談話では、次回首脳会談に向けた北朝鮮側の高い壁の要求だったとか、北朝鮮側がトランプ大統領なら譲歩すると読み違えたのではないかとの分析があるが、準備不足、調整不足があきらかな米朝首脳会談だったことがわかる。

 それにしても報道されている北朝鮮側の要求はあまりにも稚拙で「子どもだまし」にもならずに、これでは思わず裏に「密約」でもあるのではないかの疑念さえ感じられるものだ。
 米国は72年の沖縄返還では沖縄への核兵器持ち込み容認の「密約」があったことが米国公文書の公開であきらかになっており(日本側は認めていない)先例がある。

 (4)「子どもだまし」にもならない北朝鮮の要求に合わせた裏の「密約」をカムフラージュする昼食会、共同声明の署名、共同記者会見の中止だったのではないかのと勘ぐりたくもなるほどだ。

 前述したように米国は表に出ない北朝鮮の核関連施設を衛星画像で把握しているといっていることもあり、北朝鮮としても完全非核化に向けた全核施設申告、公開には戦術上問題、支障があると考えているのではないのか。

 (5)トランプ大統領の発言も一貫性を欠く。今回の2回目の首脳会談前には北朝鮮への経済支援に前向きな発言をしながら、昨日のひとり記者会見では経済制裁解除は同盟国との協力関係もあり簡単にはいかない趣旨発言を言い出して、どこまで本音なのかわからない交渉術だ。

 (6)1回目の米朝首脳会談は北朝鮮の非核化に道をつけたようにみせて、それがあいまいな自助努力の「約束」だったことがわかり、その後様子見で何も進まずに、今回の2回目会談では北朝鮮が有利な要求を前面に出してそれを米国が当然のようにのまずに物別れ、決裂に終わった。

 北朝鮮完全非核化の実現は、両国の「限界」もみえて、確実に悪い方向、ベクトルに向かっている。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする