いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

教育勅語否定。 denial of imperial rescript of education

2018-12-27 20:21:59 | 日記
 (1)安倍第2次政権発足から6年が経過した。折りしもその日は米国株価急落を受けて世界的な株安移行の中で、東京株式市場でも終値1010円安の2万円割れを記録した。
 株価は下がることもあれば上がることもあり一喜一憂することもないが、今回は米国トランプ政権の先行き不安感を受けての投資家がリスクを避けようと売りに転じたことが背景にあり、好転材料は見通せずに回復は容易ではないとの見方が強い。

 (2)これまでの株高傾向を受けて唯一経済、金融政策の好調をキープしての安倍内閣の比較安定した支持率であったが、こちらも先行き不安を抱えることになる。
 トランプ大統領、安倍首相は政治手法は独断専決型で似たところがあり、妙にともに前政権の反動、反面教師としての固い岩盤支持層を持つことから、これまでの理念、秩序、基準を無視した独断専決の政策推進を終わらせるにはその残り任期が通り過ぎるのを待つしかないところがある。

 (3)その残り任期中に安倍首相が目指すのが憲法改正だ。今のところは第9条にあらたに自衛隊を明記する改正案を考えているようだが、来年の4月天皇退位、5月新天皇即位、新元号発令そ迎えて日本の歴史、伝統、伝説、儀式が保守思想を高める社会の中で、戦後日本の首相として初めて憲法改正を手掛ける首相として名を残したいところだろう。

 (4)安倍首相が掲げる保守思想の台頭は、道徳教育を初等、中等教育の教科として位置付けてさらに閣僚などから「教育勅語」(imperial rescript of education)を学校の教材に利用しようという発言、動きが公然と出ている。

 「教育勅語」は戦前の天皇権威崇拝主義による軍国主義の精神的支柱として戦後国会で排除、失効が確認(報道)されたものだ。その国会で当時の安倍首相の保守思想に近い下村文科相が「今日にも通用する普遍的な内容が含まれ、教材使用は差し支えない」(報道)と答弁して閣議決定してもいる。

 (5)安倍首相は「(教育勅語には)子は親に孝養を尽くす、夫婦は温かい家庭を築くなど大変素晴らしい理念が書いてある」(06年官房長官としての委員会発言ー報道)と発言している。
 「教育勅語」は前述のように軍国主義を支えたとして戦後国会で排除、失効が確認されたものであり、仮にその中の一部にいかに「素晴らしい理念」が書いてあるとしてもそれは戦後教育の中で「教育勅語」が教材に利用されなければならないことではなく、それはそれで切り離して論ずべきことだ。

 (6)そうでなければ、「教育勅語」が天皇権威崇拝主義で軍国主義を支え、アジア侵略植民地支配に至った歴史について反省もなく、考証し、評価、論じてからの問題だ。

 安倍首相は戦後70年談話でアジア侵略植民地支配について「おわび」の発言をしており、植民地支配を軍国主義として支えた「教育勅語」の正当性とは相容れないもので矛盾する。

 (7)戦後の日本国憲法で天皇は象徴としての立場、役割となり、「教育勅語」が支えた天皇権威崇拝主義による軍国主義はすでに憲法、国、政治、社会からは否定されており、「教育勅語」の學校教育の教材利用などありえない、考えられない戦後民主主義日本を歩んできた・。

 安倍首相の保守思想、理念の主張により、明治150年が評価され、戦前回帰主義が台頭してきているのは、戦後民主主義への変化として見過ごすことができない。

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