いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

君たちはどう生きるか。 how do you live

2018-12-17 20:31:19 | 日記
 (1)今年のベストセラー本(日版調べ)は「漫画 君たちはどう生きるか」だった。200万部を超えるミリオンベストセラーだ。村上春樹や百田尚樹、新聞広告で話題を振りまいた人気作家はベストテンに顔を出していない。

 活字離れが言われて久しいが、漫画本がベストセラーというのも世相を強く反映している。

 (2)内容を手に取って見ていないので何ともいえないが「君たちはどう生きるか」の原作小説の漫画本で、解説によると「主人公の中学生『コペル君』が『叔父さん』との交流を軸に『自分で自分を決定する力』を見つける物語」という。

 少子高年令化社会の中で政治、経済、社会、社会保障の中核を比較少ない若年層が背負わなければならない時代、社会で、生き方、働き方も多様になってニート、フリーターの若年労働者も多くなり、経済、社会、企業も生産調整、資金カットで有利な非正規雇用が増えて、若年層にも自由で気楽、多様な生き方の中にも将来への不安もかい間見えてフワフワした不安定な社会基盤の中で生きる時代でもある。

 (3)モラトリアム(moratorium)の中で自由で気楽に生きているようで、本来はもっと確固とした自立した意識の中で期待されて生きるべきだとの願望、かっ藤もあって、二律背反性(に苦しむ)若者、若年層の潔さだが心地よさであるから、「君たちはどう生きるか」が心を引きつけるのかもしれない。

 まさか高年令者層がこういう漫画本を手に取ることは考えられないので、若者、若年層の「生きる」、「生き方」、「働き方」、「人生」の拠り所にしたい現代版哲学書というところだ。

 (4)かっての若者たちは悩める時代、悩み多き時代には、太宰治の弱みを隠さない若気の至り、悩み、苦しみ、快楽的な自由奔放な生き方に共感して青臭い若者観にひたっていたものだが、根は同じにしても時代は情報化社会でスマホデジタルが欠かせない活字離れ時代に生まれて、ちょっとはそっとは漫画本としての「君たちはどう生きるのか」の擬似哲学、人生論が気になって漫画本を手に取るのは何となくわかる気がする。

 (5)少子高年令化時代は若年層の労働力不足を生んで、経済、企業も非正規型雇用中心の中で国、政府は今臨時国会で外国人労働力受け入れの入管法改正して来年4月からの実施で労働力不足を改善する。

 日本の若者、若年層にとっては職種、資格、受け入れ数で雇用の間口が狭まるもので、将来的にこの不十分な制度がなし崩しに変化、拡大していく可能性も否定できずに、やはり若者、若年層には厳しい労働、社会、生き方、社会環境が待ち受けることになるだろう。

 (6)むしろ「君たちはどう生きるのか」(how do you live)は来年4月以降の若者、若年層の働き方、生き方、人生観に問いかける哲学、人生訓となるものだ。
 パラドックスparadox)として、あのような安倍首相、政権が比較安定した支持率を維持するのがわかるベストセラー群だ。

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