いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国会不要論。 theory of unnecessary of the Diet

2018-12-13 20:00:04 | 日記
 (1)臨時国会が取り沙汰された会期の延長もなく閉会した。始まったころは安倍首相の海外日程もひんぱんで、入管法改正案のデータ不適切の出し直し混乱もあって審議日程が窮屈になって同法案をめぐる与野党対立も激しくなり会期延長も伝えられたが、会期中に入管法改正案も含めて政府提出法案13本すべてが成立した。

 国会に提出したすべての法案が通るのは11年ぶり(報道)といわれるが、自民党選出の委員長が職権を乱発して審議を強行開催して期間を切って数の力で強行成立をするのだから、どんな法案でも通る仕かけだ。

 (2)臨時国会最大の与野党攻防となった入管法改正案は、題目だけの法案提出で核心の中身は成立後に政令、省令で取り決めるというもので、何を審議したのか政府、与党は審議時間だけは確保したと強行採決に踏み切ったが、中身のない空法案をいくら時間をかけて審議しても徒労の意味のないものだった。

 国会が、議員がこんなことをしていたら、国会(審議)も不要論(theory of unnecessary of the Diet)が出て議会制民主主義が危機におとしいれられることになる。

 (3)これが「決めれる」政治というなら、問答無用の独裁国家と同じテーゼであり、認めるわけにはいかない。自民党の小泉進次郎議員などグループは国会改革の必要性を訴えて検討しているようだが、とても今臨時国会の政府、与党の国会運営には賛成できないのではないのか。

 いくら自民党内からでも反省の声が出てもおかしくないデタラメな臨時国会運営だった。その簡に自民党の来年度予算案は初めて100兆円規模を超える大型予算化し、来年10月実施予定の消費税10%引き上げが何のためなのか(本来の財政健全化対策から教育費無償化に用途変更しているが)わからない100兆円予算化であり、与党防衛大綱ワーキングではいずも護衛艦を「空母化」に改修することが認められた。

 (4)とどまるところを知らない「決めれる」政治の政府、与党の勝手放題の暴走だ。前民主党政権の「決めれない」政治の反動としての安倍首相、政権の独断型、強行型法案成立の政治が横行して、それを国民が支持するという国会不要論」の議会制民主主義否定政治だ。

 渦中にいるときはその周りで起きている現象に気がつかないことの危険性を書いたが、今の日本の政治、社会はそういう偏向(bias)した異常な中にある。世論調査で安倍内閣を支持する意見の最大のものは、ほかに代わる政治家、勢力が「ない」からがあげられて政治人材不足、低下、野党への不信、力不足があげられている。

 (5)世界的な政治力の低下、有能な政治指導者不在の傾向ではあるが、政治がイデオロギー、思想、理念から経済、社会、個人の現実的な利益追求型に変化して小市民的階級意識(the petite bourgeoisie)が強くなって、スケールの大きな政治家が出現しなくなった人材難時代だ。

 日本の政治に戻ると、来年は通常国会で積み残しの国民投票法改正案の審議に安倍首相が20年憲法改正を目指す自衛隊を第9条に明記する憲法改正案の審議、発議が焦点だ。

 (6)世界的な極右思想勢力の台頭の中で、安倍首相が強く打ち出す保守思想の総決算としての憲法改正について、渦中にある国民がどう審判、判断を示すのか注目される。
 天皇退位、新天皇即位という日本古来の歴史的な伝統、伝説、文化の継承もあり、日本国民の近代化社会への期待、変化との融合が試される。

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