ケチなセガがなぜか豪華なフライヤーを作成したビデオゲームの二つ目は「サムライ」(1980)です。
「サムライ」の、フルカラー二つ折り4ページの豪華フライヤーの表紙側(上)と内側(下)。侍とガンマンの組み合わせは1971年の映画「レッド・サン」からインスパイアされたのだろうか。ちょっと疑問符が付くコンセプトだと思う。
実は「サムライ」には片面印刷の通常のフライヤーもあります。
「サムライ」の、片面印刷版のフライヤー。こちらには人間のモデルは使用されていない。
「サムライ」になぜ二種類ものフライヤーが作成されたのかは謎ですが、片面印刷版にはアップライト筐体が、豪華版にはテーブル筐体が記載されています。当時はテーブル筐体が急速に普及した時期だったので、まず先に片面印刷版が作成され、その後慌てて「もちろんテーブル筐体もありますよ」と訴えるつもりでもう一つのフライヤーも作成したのでしょうか。
「サムライ」は、主人公が四方を敵に囲まれている点や、当時のまだ貧弱なハードウェアで何とか無理矢理にでも世界観やストーリーを表現しようとしている点など、任天堂から前年に発売されたビデオゲーム「シェリフ」に通じるところがあると感じます。しかし後発のセガは、「同心」のシーンと「与力」のシーンを分けることで「マルチフェイズ・ゲーム」を謳って新しさをアピールしています。
シェリフ(任天堂、1979)のフライヤーの表面。
確かに当時は、一つのゲームの中で異なるステージを戦わせるゲームは珍しかったように思います。しかし、「サムライ」が今でも語り草になっている理由は、残念ながらそのようなゲームが目指したオリジナリティよりも、プレイヤーが捕方に仕留められた際に表示される「ムネンアトヲタノム」の「名文句」にあるように思えます。
後にこれほど伝説的と言って良いほどに人口に膾炙する「名文句」は、他にはなかなか思い付きません。ATARIが1989年にリリースした「スタンランナー (S.T.U.N. RUNNER)」の「コインいっこ いれる」以外に、これに匹敵する「名文句」があれば、ぜひコメント欄にてお知らせください。
女ガンマンの「サムライ ツヨイネ!」は、「ムネンアトヲタノム」を意識してのモノでは、おそらくないと思われる。
「サムライ」の各ページの拡大図。
ですかね?!
>tomさん
ワタシ、その言葉を見た記憶が無いのです。聞くところによればデータイーストのインベーダーの類似品で使われていたそうですね。あの頃はインベーダーの類似品が星の数ほどあり、全部を見るなんてことができなかったからかもしれません。
>名無しさん
すみません、それもわかりません。何というゲームで使われていたものでしょうか。
ATARIと言えば「比類なき強者たち」なんてものがあったのを思い出しました。
ATARIはスタンランナーでもネームエントリー表示デモでの「ひるいなきスタンランナーたち」がありますね。
スタンランナーの設定にはいくつかの言語がありましたが、他の言語はどうだったんでしょうね。
セガサムライは、ポスターもあったそうです。
当時の、基板買ってくれたゲーセン向けに?
配布されたのかはわかりませんが、
おそらく裏表紙の刀を持った女性の別ポーズです。
部屋をゲーセンにする!(リイド社)という本の150Pに、白黒写真があります。
この本は、今はプレミアがついて8000円くらいしてしまいます・・・
ワタシも侍のポスターは当時のゲーセンで見かけた覚えがあります。フライヤーは業者向けの資料ですが、ポスターはやはり店内に貼って、客に新製品アピールするためのものだったのでしょうか。 壁一面に各社のゲームのポスターが貼られていた風景が懐かしいです。
「部屋をゲーセンにする!」は1996年の発行なんですね。今もレトロゲームを収集する人は少なからずいますが、この時代の人たちには今のコレクターとはまた違った方向性の熱意があったと思います。それにしてもプレミア高すぎて手が出ません・・・