オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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新ラスベガス半生中継2023年G2Eショウ(4) DAY 3・G2Eショウ(その1)

2023年11月12日 19時46分58秒 | 海外カジノ

3日目の今日は今回の巡礼のメインイベント、G2E見物の日。

・朝10時に集合してG2E会場のヴィニーシャン・エキスポ・センター(旧サンズ・エキスポ)に向かう。この期間のヴィニーシャン、及びパラッソの駐車場は満車になったり入れたとしても出る時に大いに苦労する経験を過去にしているので、向かいのtiに車を停めて徒歩でヴィニーシャンに向かう。

・会場で、事前にメールで受け取っていたバーコードを提示してバッジ(入場証)と交換するが、その行列がものすごいことになっていた。やはり前日に事前登録しておけば良かったと後悔しかけたが、列はかなりスムーズに進み、10分程度で手続きを終えることができた。

◆ARISTOCRAT
・今年のARISTOCRATのブースはクローズド展示で、中に入るには事前の登録が必要だった。とは言え、外から柵越しに展示を見ることはできたし、またショウ3日目(最終日)はオープン展示となって特に手続きなく誰でも入れた。見込み客への対応に力を入れた結果か。

BUFFAROLIGHTNING LINKでこの15年間世界のスロットマシンの潮流をリードしてきたARISTOCRATの今回のメインは、全米No.1の人気のプロスポーツリーグNFLをIPに取り入れた一連のシリーズだった。NFLには32チームが属するが、プレイヤーは自分が贔屓とするチームをゲームのテーマとして遊ぶことができるなど、従来のIPモノとは一線を画す仕掛けがあった。他社が真似ることはできたとしても、いや、ARISTOCRAT自身でさえ、これを超えるコンテンツを今後作れるのだろうか。欧州でサッカーならあり得るか。

①柵の外から見たARISTOCRATブースの一部。ここはBUFFAROやLIGHTNING LINKシリーズの新作などが展示されている一角。 ②ブースの入り口には巨大な米式蹴球のヘルメットのオブジェが飾られていた。 ③-④NFLの一連の機種を展示する一角の床にはグリダイアン(米式蹴球のフィールドのこと)柄の人工芝が敷かれていた。

・ショウ最終日のオープン展示で入場したら、カジノホテルで発生するいろいろな支払い、例えばゲーム代だったりホテル代だったり飲食代だったりで使用できるのみならず、プレイヤーズカードの機能も持つスマホのウォレット機能のモデル展示を発見。今後はこのようなシステムがスタンダードとなって行くのかもしれない。

◆IGT
・IGTは大歌手「ホイットニー・ヒューストン」をテーマにしたビデオスロットが一押し。エントランスのゲートには、ホイットニーの衣装やゴールドディスクなども展示されていた。ただ、これまでマイケル・ジャクソンやブリトニー・スピアーズなど芸能界のビッグネームをIPに採り入れたスロットマシンはいくつも作られてきたが、彼らの人気ほどにヒットした例はない

①-②WHITNEY HOUSTONの展示の模様。 ③ゲームは「LIGHTNING LINK」のインスパイア・発展形らしい。 ④ホイットニーの衣装や受賞した数々の実績も展示されていた。

・もう一つ、49インチ湾曲液晶を縦に二つ配置した巨大な「PROSPERITY LINK」も大きく展示されていた。初めて紹介されたのは昨年の5月で新製品ではないが、ゲーミング業界誌が主催するベストゲーム賞を受賞したり、業界の調査会社のレポートで常に3位以内にランキングされるなど話題作ではあるらしい。二種類のゲームがあり、それぞれで異なる中国美女が出てきて何かしてくれるとのことで、「PROSPERTY(繁栄)」のネーミングとともに、いかにも中国市場を意識したゲームであるように思える。

・IGTと言えばビデオポーカーの最大手メーカーでもあるが、なんだかよくわからないポーカーゲームがいくつも展示されていた。ビデオポーカーのバリエーションを増やす工夫自体は40年前から試みられ、それらのいくつかは今も生き延びているが、そろそろ無理を感じるようになってきている。ゲームの構造上、提供できる最高の大当たりをあまり大きくできないビデオポーカーにはどんな将来が待っているのか。

①PROSPERITY LINK。49インチモニターを縦に二つ並べ、ハッタリは効く筐体になっている。 ②-④よくわからないビデオポーカー。これまでに習得してきたストラテジーが使えないので、いっそsigmaやCRONがやっているような、ビデオスロット寄りのゲームを作ってくれた方がまだ遊んでみようという気になれる(個人の感想)。

◆LIGHT & WONDER (旧Scientific Games)
・元来が宝くじ会社のScientific Games社は、2011年にBarcrestを、2013年にWMSを、そして2014年にBally(その子会社となっていたShuffle Master含む)をと買収を繰り返してきた。そのScientific Gamesは2021年時点で88.3憶ドルもの負債を抱え、2022年、宝くじ部門とスポーツブック部門をアトランタのBrookfield Business Partners社に売却することを決断した。これにより、今後はBrookfield Business Partners社がScientific Gamesを名乗り、残ったマシンゲーム部門は「LIGHT & WONDER(以下、L&W)」と名前を変えることとなった。

・そのせいか、今回のL&Wの展示は、MONOPOLY、QUICK HIT、BLAZING 7、WONKAなど過去の人気シリーズの後継機ばかりで、2019年の時のような攻めた新機種やチャレンジが見られなかった。いや、実際は表面からは見えにくいイノベーションがあるのかもしれないが、2019年時のような「センス・オブ・ワンダー」は感じられなかった。ひょっとして今後、L&Wは縮小したり分裂したりなどと言うことが無いことを祈りたい。幸い、今のところ市場でL&Wが占める割合は減ってはいないように思われる。

①-③L&Wのブースの様子。個別のゲーム機の写真がないところに、ワタシの失望の大きさが表れている。それにしても、新社名はすぐにジョージ・ルーカスが立ち上げた特撮専門工房の「Industrial Light & Magic」が連想され陳腐な印象を得た(個人の感想)。

(G2Eショウその2に続く)


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