水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

しんぐるま、ブログ上での解説(13)

2007-11-06 08:47:45 | 水車紙上解説
近代製粉

「しんぐるまのオーナーであった峰岸氏は、よく「篩は水車屋の魂」とおっしゃっるそうです。
ネットを覗くと、製粉には、古今東西どこでも固有独特のノウハウがあったらしいことが判ります。例えば、イギリスのネットでみかけた、近代製粉工程説明文を要約すると、下のようになります。

1 表皮(brown outer skins)の除去
 内部の白い身、これを粉にするのですが、その部分を砕かぬように、表皮だけを除去します。
 一般に玄小麦を冷却されている鉄製の二つのロールの間に投入します。ロールの回転速度は互いに異なります。またロール表面には溝が刻まれています。

2 篩い分け(1)
 篩い機(plansifter、上を最も粗い目とした、篩いを何段も重ねたもの)に、1の工程を済ませたものを入れ、篩います。

3 粉砕
 2の工程を済ませたものを、各篩目ごとに粉砕します。

4 篩い分け(2)
 3の工程を済ませたものを、精製装置(purifier)に入れます。空気を流すことによって、表皮部分を吹き飛ばします。中身より表皮の比重が小さいので、これができます。

表皮が混じると見栄えは悪いし、焼いたパンの質も悪い、そうです。

 峰岸氏が手で篩っている映像を見たことがあります。粉の中に混入している表皮部分を取り除く作業だったのでしょう。
余人の真似を許さない、まさに名人芸というべき手加減だったに違いありません。」

     つづく