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本好きにしあわせな涙

2017年02月12日 | 美術展・本
「蜜蜂と遠雷」恩田 陸

直木賞受賞しましたが、恩田陸さん未だだったの?という感がある。
大好きな作家の一人です。
ですが、長編が多く、体力視力の問題で最近は敬遠しがちだった。
この作品は2段組みで500ページ超えということもあり諦めていたが、
読者からの褒め称えるコメント欄を読むとどうしても食指が動く。

国際的に名の知れたピアノコンクールでの出場者を軸にして物語は展開する。
読書中、幾度かツツーと涙が流れてしまっていた。
哀切な場面でも感動する場面でもないところで。
何にと問われれば、
言葉の豊穣さにたっぷり身を委ねることの幸福感に、ですね。
恩田陸から繰り出される語彙力を信頼しているので何の抵抗もなく
ピアノから奏でられる音の解釈をうっとりしながらも研ぎ澄まして読む。
そうしていると「あれ、泣いてるの」といつの間にか涙流してる自分に驚く。
内容はピアノに関心なくてもクラシック知らなくてもぐいぐい惹き込まれる。

もう一つ、恩田陸。
「チョコレートコスモス」
才能長けた若手の舞台女優二人の物語。
舞台女優として有り続けるための厳しさ、関わる脚本家、演出家等それぞれの仕事事情、
舞台に関わる裏側の日々の成り立ちがよく分かり興味がそそられる。
お気に入りの舞台俳優にリンクしながら読むのも面白い。
まだ、途中ですが一気読みできそうなストーリー展開です。


上記、ピアノ関連の作品もう一つ。
「羊と鋼の森」 宮下奈都
”羊と鋼の森”とはピアノ調律師が描くピアノのの世界です。
読み進めていくうちにこの妙なタイトルが奥深い意味を内包していることに気付く。
言葉の充て方が好きな作家さんです。
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