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舞台上で本気で恋をする・・・・蜷川版ロミオ&ジュリエット

2010年09月19日 | 映画
蜷川幸雄の「ロミオとジュリエット」をDVDで観た。

2004年、蜷川幸雄が手掛け藤原竜也がロミオで鈴木杏がジュリエットで舞台化された。
6年を経て、偶然その舞台上の藤原竜也をTV画面でチラと映るのを見た。

その生き生きした表情に魅入られ早速DVDをレンタル。

幕が上がるといきなり蜷川さんの世界へ導かれる。
舞台背面いっぱいに世界各地の若い世代の「ロミオとジュリエット」のパネル
写真が溢れている。
登場人物たちの衣装の色はくっきり二手に別れ、相容れない双方の事情が一目で
目に刻印される。否応なしにすぐさま舞台へ引っ張られるという感じ。その有無
を言わせぬ自信に溢れた強引さが気持ちよい。

やがて、あのベランダ上のジュリエットとその下から呼びかけるロミオの
場面。この語り合う場面が実に素晴らしい
藤原竜也の恋する感情がひしひしと伝わってくる。嬉しくて切なくてそして恋する者の
愚かさ愉しさを頭のてっぺんから足のつま先まで()使って表現しぶつけてくる。
杏ちゃんも凄く頑張った。初登場シーンでバカでかいぬいぐるみ()を
追いかけていたお嬢ちゃまが一変し、恋する乙女に変容する。恐るべき恋する力。
茶目っ気と可愛さと賢さのある杏版ジュリエットにどんどん心引かれた。
長い理屈詰めのセリフをよくもこんな機関銃のごとくガンガン繰り出すものだと
ため息が漏れる。

勇敢で清潔な若さをアピールするためにこの↑衣装は実に雄弁だった。
(スニーカー風に見える室内履きと膝下の丈の組み合わせは若さを強調させていて
目に斬新だった)

ここまで観て、この先どんな斬新な場面展開があるのかな?、とワクワク期待して
いた。が、その後、殊に新しい切り口はなかったのだけど、上記のふたりの場面映像
だけで私は満足している。
人は恋をして、こんなにも美しく高揚するという過程を10数分の演技で伝えてくる
藤原竜也の力量にあらためて感嘆している。

エンディングの舞台挨拶の場面、TVの前で惜しみなく拍手している私でした。
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