昔、母屋のはずれに大きな榎木が立っていて、夏休みは子
供会のたまり場。涼しいから勉強がはかどり(?)それから
蝉取りがはじまる。といっても捕るのは穴蟬。直径1㎝ほど
の穴に細い木の枝を差し込み、動いたら蝉がいるはず。そー
っと抜くと穴蟬がすがって出てくる。羽化まで時間がかかる
から、大抵は家の中で網戸にすがらせて待つ。
掲句はその蝉穴の闇の向こうに椅子があるという。誰の椅
子だろう。ウサギを追い掛けて穴に落ちた「不思議の国のア
リス」の椅子だったら、そこからまた物語が生まれる。(小林邦子)
供会のたまり場。涼しいから勉強がはかどり(?)それから
蝉取りがはじまる。といっても捕るのは穴蟬。直径1㎝ほど
の穴に細い木の枝を差し込み、動いたら蝉がいるはず。そー
っと抜くと穴蟬がすがって出てくる。羽化まで時間がかかる
から、大抵は家の中で網戸にすがらせて待つ。
掲句はその蝉穴の闇の向こうに椅子があるという。誰の椅
子だろう。ウサギを追い掛けて穴に落ちた「不思議の国のア
リス」の椅子だったら、そこからまた物語が生まれる。(小林邦子)