「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

暗算の天才とゐる夕焼けかな 菅原鬨也 「滝」8月号<飛沫抄>

2015-08-04 04:50:59 | 日記
 小学校六年生のとき、木村先生が補修授業で算盤を教えて
くださることになった。習いたい子は算盤を持ってこいとい
う。四つ玉の算盤が普及しはじめていたが、私は父に少し習
った五つ玉の算盤で参加した。回を重ねたある時、仙台市南
材木町小学校の五、六年生が、珠算の模範競技を見せてくれ
ることになった。六人ほど来校したと思う。目の前で、速射
砲のように読み上げる五~一〇桁あまりの数字を、算盤の上
の指が軽快な音とともにおどり、全問正解。さらに暗算をす
るという。同じような桁数を、こんどは、算盤をただ睨みな
がら、或は机の上で指を躍らせながら正解を出していく。仙
台の生徒はみな天才だと思った。(小林邦子)