「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

向日葵や薬缶の水をまはし飲む 成田一子 「滝」8月号<瀬音集>

2015-08-05 04:15:44 | 日記
 一読して、大学ラグビーチームの汗と埃にまみれた集団の、
練習風景が見えてくる。一区切りの小休止、冷たい水のはい
った大きな薬缶をまわし飲む。薬缶そのものも汗をかき、冷
たい滴が落ちる。培ってきた仲間の親しさと信頼が、まわし
飲むことに何の懸念も不信もない。
 ラグビーの薬缶といえば、試合中にタックルや激突でコー
ト場に倒れても、薬缶の水をかけると起き上がり、試合続行。
あれは只の水と聞いているが、魔法がかけられている水に違
いない。其の水と、まわし飲む水が同じかどうかは知らない
が、向日葵が健康な暑さを倍加している。(小林邦子)