行雲流水

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魔禅

2012年06月22日 | 禅の心
禅は、自らの心を安定させ、人徳を磨き、穏やかで平和に生活することが大きな目的の一つとしています。しかし、禅によって、「自分は偉い人間だ。」「悟ったんだ」と、謙虚さを失って、禅本来の目的とは逆の方向に行ってしまうことがあります。
  これを、魔禅とか魔境と言って、大きく戒められてきました。禅は、やり方を間違えると、独りよがりになってしまって、危険な状態になってしまいます。
 日蓮聖人は、鎌倉幕府五代執権、北条時頼に『立正安国論』を提出しました。その『立正安国論』に、「四箇の格言」といって、禅、念仏、真言、律の4宗を批判している部分があります。ただ私は、日蓮聖人が単に他宗を批判、攻撃しているのではなく、「こういう危険性がある。」と、建設的に指摘しているのだととらえています。
 禅は一歩間違えると、本来とは逆の方向に行ってしまう危険性があるのです。
 威張ったり、他人を攻撃したり、人を馬鹿にするようでは、禅の目的とは逆のことなのです。


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