行雲流水

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禅語(12)・・・照顧脚下

2015年05月01日 | 禅の心
看脚下は、碧巌録の編者の仏果圓悟禅師の言葉です。

仏果禅師の師である法演禅師が、弟子たちと夜道を歩いて帰る時に、手に持っていた灯明の火が消えたので、弟子たちに

「今の心境を述べてみよ」

と言いました。

そのとき、仏果圓悟禅師の述べた言葉が「看脚下(足下を見よ)」でした。

暗くなったのだから、さらに足下に気をつけながら歩かないと転んでしまいます。

現代社会は暗いニュースでいっぱいです。これから先、天災や戦争などの不安もあります。

経済の先行き不安もあります。

これからどこへ進んで行くのか、まさに真っ暗闇にいるようなものです。

しかし、そういうときこそ、自分の心の中を照らし、足下をしっかり見つめて歩んでいかなければなりません。

世界の歴史を振り返ってみますと、世の中が混乱しているのをいいことに、様々な誘惑の手が迫ることがあります。

お金持ちがさらにお金持ちになるために、戦争を仕掛けたこともありました。

とんでもない独裁者を信じて、みんな地獄の底へ堕ちていったこともありました。

今の日本もそのような状況にあると思います。

こんなときこそ、自分の心の眼をしっかりと見開き、心を灯火で照らして、おかしなものに惑わされないようにしなけれななりません。


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