行雲流水

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いろんな意見を聞いてみよう

2018年02月16日 | 仏の心
遠い昔のことですが、私が子どもの頃に祖父が
「線香は1本だけ立てるものだ。」
と教えてくれました。しかし、そのあとでお寺の和尚さんから
「線香は1本はお釈迦様、1本はご先祖様、1本は自分にと3本立ててください。」
と教わりました。
また父方の祖母はいつも線香を2本立てていました。

1本、2本、3本どれが正しいのだろうと疑問に思ったものです。

同じ事が焼香の回数にも言えるのかもしれません。

線香を1本立てるのが正しいと思っている人にとっては3本立てる人は常識知らずだと思い、3本立てるのが正しいと思っている人には1本しか立てない人は、物事を知らないと思っているものです。

ちなみにわが曹洞宗では、通常1本立てます。坐禅を行う時には長い線香を1本立てて時計代わりにしています。
天台宗、真言宗の平安仏教では3本立てているようです。

実は、1本、2本、3本どれも正しいのです。
宗旨や地域の習慣によって違うと言っていいと思います。

友引には葬式をしないとか結婚式は絶対に大安でなければならないとこだわりを持つ人もいれば、六曜なんて迷信だと思う人もいるわけですが、どちらの考え方も尊重されるべきだと思います。

現代人は自分違う考え方を受け入れられなくなったと言います。世の中にはいろいろな考え方があって、自分とは意見が違うかもしれないが、それを尊重する。特にこれからの国際化社会においては必要な事だと思います。