akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

第七回茅ヶ崎館公演

2008-03-10 | 活弁
第七回茅ヶ崎館で楽しむ、活弁と和食ブッフェの宴『淑女と髯』。はるばる遠くからもたくさんのお客さまにいらしていただき、誠にありがとうございました。
『小津安二郎・生きる哀しみ』の著者である中澤千磨夫先生がいらして下さり、急遽、上演後対談となりました。様々なお話を伺うことができ、私自身もとても楽しかったです。

『淑女と髯』(昭和6)は、小津安二郎監督の作品群の中では上映の機会も少ないマイナーな初期作品ですが、いや、なかなか隠れた名作です。8日間で撮りあげたわりには、大ヒットしたという本作。小津監督の当時のハイカラぶり、ギャグセンス、時代に対する姿勢がよくわかる作品です。
皇室や治安維持法をギャグにし、男爵家の邸宅にマルクスの写真を掲げておくなど、当時のタブーがいっぱい。よくぞ検閲をかいくぐったものだと感心しますが、さぞかし観客も小津監督も北村小松も痛快だったことでしょう。

剣道や剣舞のシーンなどナンセンスなギャグもたくさんありますが、エルンスト・ルビッチの影響が色濃く見られるソフィスティケイテッド・コメディでもあります。小物の使い方、演出が本当に巧い。

初期の小津監督に大きな影響を与えた、ルビッチのThe Marrige Circle『結婚哲学』、大手町カフェで17日(月)に上演しますので、ぜひご覧下さいね。FEBOの生演奏でお送りします

終了後はいつものごとく、ビュッフェを楽しみながら交流会。
今年生誕100年の佐々木康監督の御親族もいらして下さっていて、中澤先生ともども、皆さんおおいにお話に花を咲かせていらっしゃいました。
茅ヶ崎館の皆様、お客さまに心より感謝申し上げます。

コメント (2)
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