野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

・・・そうなると思った

2024-09-13 06:11:07 | その他
9月11日、共和党のトランプと民主党のハリスとの直接討論会が開催される。
NHKがLIVE放送するので、この討論会は楽しみにしていたが、翌日の新聞やネット情報では、ハリスを評価する声が多かったようだ。同じ日経WEBの一面に「VW、最大労組との協約破棄 工場閉鎖・大量解雇に道筋」として、「独フォルクスワーゲン(VW)は10日、本国で検討する工場閉鎖に関し、雇用保障を含めた労働組合との労働協約を破棄すると明らかにした。同国最大の産業別労組IGメタルに通知した。工場閉鎖に伴う大規模な人員削減の現実味が増してきた。」と続けている。電気自動車の販売失速で経営が悪化し、人員削減や工場閉鎖といった抜本的なリストラを行うとあった。あの欧州連合の経済の中心地であり、かつ機関車が失速し始めたという記事だ。これには多少どころか大いにびっくりした。ドイツ経済は早晩、困難な状況に陥るだろうと一部の識者が指摘していたが、経済の基幹産業である自動車産業のVWが、ドイツ国内の自社自動車工場の一部を閉鎖するのだから、その本当の理由を知りたかった。

6日付けのBloomberg にも書いてあるが「ドイツ激震、VW工場閉鎖は「氷山の一角」-工業力衰退の象徴に」には、ドイツが、輸出主導の自動車製造大国から、半導体やEVバッテリーといった先端を行くクリーンエネルギー大国への速やかな移行が成し遂げられなかったと書いているが、本当にその通りなんだろうかと、VWという世界企業がEV戦略に乗り遅れるなど信じられなかったので、本当の理由を探していると、こう言う分析「ドイツはもうおしまいだ…フォルクスワーゲンが国内工場を閉鎖した「真の原因」があった。
そこには、ドイツ経済の衰退原因を書いている。
 ● 頑なな反原発姿勢を変えていないショルツ政権のドイツは、当然ながら、高い電力代は家計ばかりでなく、企業にとっても大きな負担になっている。ドイツの電力料金は、2023年下半期の場合、原発比重の高いフランスと比べると、家庭用で概ね55%、産業用では80%も高い
 ● 製造業が国を支えてきたドイツでは、このエネルギーコストの高さは致命的で、国内の製造業の空洞化が進むのは避けようがない。
 ● フォルクスワーゲングループのオリバー・ブルーメCEOは「欧州の自動車業界は非常に厳しく深刻な状況にある」としたうえで、特に製造拠点としてのドイツは競争力の面でさらなる遅れをとりつつある」と語った。欧州市場に参入している新たな競合企業とは、安価な電力料金に支えられた中国に製造拠点を持つ、BYDなどの中国企業やテスラのことだろう。
 ● 労働組合は、これまで優等生的なリベラル政策を支持し、脱原発にも賛同してきたのだろうが、そんなあり方が自分たちの生活基盤を破壊することにつながっていることに、今更ながら気づくことになったのではないか。
 ● そもそも稼働を停止した旧原発の再稼働ができないように、現在のショルツ政権は、原発の冷却塔を相次いで爆破することまでやっている。したがってドイツが仮に原子力回帰ができるとしても、新原発の稼働は早く見積もっても10年後にならざるをえず、その間は原発の生み出す安価な電力をドイツが利用することはできない。こうした中でドイツ製造業の空洞化が進む一方、(多くの電力を消費する)データセンターなどの拠点がドイツに設置されていかないことも、もはや避けられないだろう。

ドイツを除く、昨今の欧州各国の原発再開に向けた動きの背景は、ロシアのウクライナ軍事侵攻に伴って、安全保障政策、エネルギーコストが大幅に上昇した ことが政策の抜本的見直しを必要にしたということだと思う(一昔前までは、パイプライン経由で送られてくるロシア産の安価な天然ガスがドイツの製造業を助け輸出を増やしていたと言われている)。EUの原理主義者が強硬に進めた、脱炭素化のとどのつまりが産業空洞化を進めてしまったと言うことだと思う。ドイツ在住の日本人女性がかなり以前に、ドイツのエネルギーコストが大幅に上昇した現実を、これも地球を救うために手段だと信じて耐えているドイツ国民のことを書いていたが、早々と原発を廃止し再生可能エネルギーに補助を出したら、ドイツの電気代が2倍になってしまったそうだ。そしてウクライナ戦争でロシアの天然ガスが入らなくなって、エネルギーコストが更に上昇し、これらのコストアップが競争力を奪い、基幹産業がドイツから無くなったという結論に至ったようだ。

そもそも、 環境団体は「産業革命前に比べて地球の平均気温が1.5度を超えてしまうと、気候変動の影響はより破滅的になる」と力説し、世界破滅を防止するために、欧州を中心とする政治家たちは鳩首して1.5度を守るべく、やれ脱炭素やれ脱原発だと盛んにあおってきた。それがなんと、既に誤差範囲の1.5度上昇したにもかかわらず、明日、壊滅的破壊に至るようにも思えず、我々はこうして健全に生きている。いま世界の大きな話題は、ウクライナやガザ地区の人的戦争を危惧しても、地球の温度が1.5度上昇した、すわ大変だ!とは誰も言っていない。現実は、1.5度上昇しても何も起こらなかった。そもそも、脱炭素思想には無理があったのだろう。

不満ながら思うに、我々日本の冬と夏の気温の差を見ると30度くらいあるし、その中での1度上昇を誰が不満を持つのだろうか等々と、頓珍漢な考えが頭の中を占めている一方で世界の平均温度が1.5度上昇すると地球は破滅すると書かれているのに、今、1.48度上昇したが、世界は破滅することなかった。多額な政府補助金いわゆる我々の税金支援なしには成立し得ない再エネ事業やEV車、脱炭素等のカーボンニュートラルの現実に、未来があるようにも思えなかった。

一方、世界の最大人口を持つグローバルサウスはと言うと、すこし前のCOP28に関する記事「グローバルサウスが主役になったCOPはゆるやかに死んでゆくにも書いているように「グローバルサウスが求めているのは、100年後の温暖化防止ではなく今の経済発展である。再エネだけでは工業化はできず、化石燃料は不可欠である。いま熱帯で起こっている洪水などの被害を防ぐには、脱炭素化より堤防などのインフラ整備のほうがはるかに効果的だ。 ・・こうしてゆるやかにCOPは死んでゆく。それは社会主義インターナショナルが失敗に終わり、消えていった歴史の再現をみるようだ。脱炭素化は社会主義であり、それを理想とする国では実現できるが、それを認めない国は協力しない。・・気候変動をゼロにしようという理想は美しいが、世界にはまだ電力のない生活をしている人が7.6億人もいるのだ。100年後のCO₂濃度を心配するのは、衣食住の足りる生活ができてからで十分である」と書いている。地球の温暖化で、麻生副総理が言う「北海道でおいしいコメが作れるようになったのだからいいではないか」の意見のほうが素直に頭に入ってくる。人類に自然を改造できるような力があるんだろうか思う反面、むしろ、地球の気候変動に適応して上手に生きる道を模索したほうが賢明で、なんとなくだが、電気モーター自動車も水素もそのうちに消えてしまうような気がしてならなかった。 その前哨の表れの一部の方向が、ドイツの自動車産業の工場閉鎖へと繋がった、と思う。 ・・・なるようになった。


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