「牧場経営者ダン・エヴァンスと無法者ベン・ウェイド」
この映画は面白い。
もともと西部劇自体は好きな映画なんだが、「3:10 to Yuma」は久し振りに見た面白い西部劇だった。
「L.A.コンフィデンシャル」の味のあるラッセル・クロウを期待してDVDを借りたが、期待通り。
ストーリー:
「南北戦争が終わってまだ間もないアリゾナ。北軍の一員として従軍し、片足を失って退役した牧場経営者ダン・エヴァンス。
彼の牧場は、その土地に鉄道を敷きたいと思う町の有力者によって様々な嫌がらせを受け、借金してしまった。
ひょんな縁から、ダンは駅馬車強盗で捕まった無法者ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)を駅のあるコンテンションの町まで護送する役を買って出た。
その報酬で借金が返済できるのだ。
コンテンションから明後日の「ユマ行き3時10分発」の列車にベン・ウェイドを乗せなくてはならない。
しかし、ベン・ウェイドの仲間が彼を奪い返そうと執拗に追ってくる。
道中で何人も犠牲者を出しつつも、ダンは何とかベン・ウェイドを連れてコンテンションの町に到着する。
だが護送団のメンバーを次々と失い、追ってきたベンの手下たちに、コンテンションのホテルに追いつめられる。
しかも、強盗団の副頭目が護送団に懸賞金をかけ群衆を扇動したので、町中のならず者たちがダン達を殺そうとする。
「報酬は払うから逃げろ」、と説得する護送団の鉄道会社の役員にもダンは首を縦に振らず、ベン・ウェイドを列車に乗せようとする。
それには理由があった。
ダンの思いを悟ったべン・ウェイドはダンを射殺した仲間全員を逆に撃ち殺し、自ら護送列車に乗る。
そして、その一部始終を目撃したダンの息子。
列車が走りだして間もなくベンが口笛を吹くと、死角にいた彼の愛馬が列車に近づく」
昔の西部劇を観た時に感じる印象と似ていて、人間ドラマが中心であり、それを盛り上げるための銃撃戦がある。
また、この映画は面白いだけでなく、南部アメリカに広がるデザートの中で、ブッシュから見る映像の場面も美しく撮れていて素晴らしい。
興味をそそった場面:
★悪党ベン・ウェイドを狂信的に崇拝する強盗団の副頭目は、一行が籠もるホテルを包囲、更にダンたちを殺害した者に報奨金を出すと群衆を扇動してまでベンを奪い返そうとする。
そこまでにベン・ウェイドを慕う仲間を、ダンを撃った仲間のはずの面々をウェイドが撃ち殺していく場面。
強盗団仲間はベン・ウェイドの事を信頼していて、必死に助けに行こうとしていたのに、最後は逆にベン・ウェイドに無残に撃ち殺される。
★途中から勝手にやってきたダンの息子、一緒に残ると言う彼にダンが別れを告げる場面。そしてベン・ウェイドを列車に乗せる役目を最後までやり遂げて撃たれたダンは死に際、
詰め寄ってきた息子に「町に帰って、この事を皆に報告しろ。立派に成長したな。お前は俺の誇りだ」と告げる。
★残虐性と寛容さ、正確な射撃の腕前と深い教養という相反する要素を併せ持つ男ベン・ウェイドは、幼年の頃捨てた母親を待つ間に聖書を完読し教養を身に付けた。
暇さえあれば絵を描いている場面。
3:10 to Yuma - Trailer