今日(30日)の午後、女房は娘と孫と一緒に神戸ポーアイのイベントに出かけた。ここ数日、台風の進路とその規模を心配しながら、JR神戸線の運行状況をこまめにチェックしていたが、当日の神戸は特に風もなく、雨も小ぶり程度に収まってよかった。しかし、前日の夜、NHKの台風情報を確認していると、突然、「兵庫県南部に竜巻発生のおそれ」とか「淡路に線状降水帯発生」とテロップに出たので、すわっ大変と慌てたが、開けて今日30日は晴れ時々雨程度で良かった。
台風がやってくると反射的に何処に、中心気圧は、と見る癖は治らない。
今回の台風10号、鹿児島に上陸する前の中心気圧が935hPa と強大な勢力になっていたので、気になって仕方なかった。鹿児島の指宿・川内あたりから島原半島に移動し、その地に暫く停滞。島原はわが故郷につき心配で仕方なかったが、島原に居座り移動しないからなおさらだ。その後、熊本の玉名辺りに移動し九州を抜けたのが30日の朝。1時間毎にGoogleMapで進路を確認するが念のためにウエザーニュースや気象庁の予報も見てみるも微妙に変わっているので(進路が住居に近いほど、その進路を知るのは重要)、その度に一喜一憂している。各出典機関の進路が違う場合、更に確認するのが米軍の「Joint Typhoon Warning Center (JTWC)」で、何時も最後に見て確認する。台風が過ぎ去って進路を確認すると、この米軍のJoint Typhoon Warning Center (JTWC)の台風情報がほぼほぼ正解に近い進路であった事が度々あった。
米軍の台風情報は「アメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センター(JTWC)が発表する台風情報です。この台風情報は、本来は米国の政府機関による利用を意図した情報ではありますが、一般の人々もアクセスすることができます。通常は6時間おきに情報を発表します」とある。30日の午後3時ころの米軍「Joint Typhoon Warning Center (JTWC)」の進路が下記図。
ところで、台風の進路を確認する場合、ウエザーニュースや気象庁情報と「Joint Typhoon Warning Center (JTWC)」の予測進路が微妙に異なることがしばしばある。その理由は良く分からないが、今日(30日)日経記事に面白い分析「台風10号の進路予想、気象庁と米軍でなぜ異なった」があったので、すごく参考になった。その内容が下記。 「台風10号が日本列島を縦断する可能性がある。気象庁によると29日午前8時ごろに鹿児島県薩摩川内市付近に上陸した。台風経路図によると進路を東に変えて西日本に接近する見通しだ。ただ、ほかの気象機関の進路予想は速度が遅かったり、進路が異なっていた。機関によって台風の進路予想が異なるのはなぜか。
気象庁の台風情報は、赤道から北緯60度、東経100〜180度までの範囲で発生する熱帯低気圧のうち中心付近の平均風速が17.2メートルを超えた場合を対象とする。気象庁によると、九州地方を通過中の台風10号は、マリアナ諸島付近で8月22日に発生した。当初はほぼ真っすぐ北に進み、27日ごろに四国から近畿地方に接近するとされていたが、次第に進路を西に変えた。29日午後9時時点では九州に上陸しており、今後日本列島を縦断するとみられる。
進路予想は米軍合同台風警報センター(JTWC)や欧州中期予報センター(ECMWF)などの海外機関も公表している。米軍は海上行動に生かすため風速の定義など独自の方法をとるが、欧州の気象機関などは世界基準にのっとって予想している。
台風は日本列島から遠いところで発生するため、発生直後の予想は誤差が大きくなりやすい。接近したり上陸したりするまでに時間がかかり、大気中の状態が変わってしまうためだ。日本以外の機関でも同じ理由で進路の精度は高くなく、予想が外れることも多くなる。発生当初には、おおむね真っすぐ北上する予測をしていた気象庁やJTWCに対し、ECMWFは一度西に反れて四国の南まで進んでから、東に向きを変えて日本列島に上陸する可能性を示していた。結果的にこの予想が台風10号の実際のルートに近くなった。
欧州中期予報センター(ECMWF)では22日午前9時の時点で一時西に進路を取る予測が多かった=ECMWFの資料を引用29日午後9時時点で各機関の今後の予想はおおむね一致し、31日〜9月1日にかけて近畿地方に向かうと見られる。ただ、九州上陸前後の各機関の予想は、速度の見通しなどに違いがあった。
29日午前時点の予想では、気象庁は9月3日に関東を通過し太平洋に抜ける可能性を指摘していたが、JTWCは東海地方周辺に位置すると予想した。進路の予想にも違いがあった。気象庁は29日午前には、9月1日ごろに近畿地方周辺で一時蛇行すると予想した。ECMWFは大きく蛇行して、一時的に日本海に抜ける予想を示した。香港の気象庁にあたる香港天文台も、蛇行時に四国沖で円を描く可能性を指摘するなど各機関で異なる予想がみられた。
予想の違いには、台風予測の手法が影響している。気象庁では、スーパーコンピューターを活用し「全球アンサンブルモデル」などを使って台風の進路を予想する。全球アンサンブルモデルは、予想のスタートに使うデータを加工して複数の結果を出す。台風の中心が入る確率が70%の範囲を示す「予報円」が大きくなるのは、それぞれの分析結果が大きく異なるためだ。各国はほぼ同様の仕組みで進路を予想するが、分析に利用する①気象データ②計算手法③スーパーコンピューターの性能――が機関によって異なる。そのため、同じ現象の予想でも大きく結果が変わってくる。
誤差は台風が日本列島に近づくと小さくなる。上陸や最接近までにかかる時間が短くなり、行き先がある程度限られて予想がしやすくなる。29日午前に比べて午後の方が各機関の予想が一致したおおむね理由はここにある。台風が日本列島から離れているときの予測は、どの機関の予想がより正確なのか。台風に詳しい名古屋大学の坪木和久教授は「現状はドングリの背比べのような状態だ。それだけ台風の進路予想は難しい」と指摘する。台風の気圧などの予想に使う基礎データは直接観測が難しいため、人工衛星の画像を基に予測しており、「世界のどの機関も精密なデータを取得できていない」(坪木教授)。
台風は災害に直結する可能性が高い。気象庁は台風情報の解説をする場合には「気象庁の情報の解説の範囲にとどめる必要」があるとしており、単一の発信元からの責任ある情報提供(シングルボイス)を重視している。坪木教授は「台風予想は接近すると精度が高まる。気象庁の情報をマメに確認するのが大事だ」と話す」と書いている。