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しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

真鍋島「走り御輿」

2022年09月19日 | 笠岡市の祭り

笠岡市真鍋島
笠岡市指定重要無形民俗文化財「走り御輿」

 

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「岡山の祭と行事下巻」  岡山民族学会 山陽新聞社 昭和58年発行

走り御輿

笠岡市真鍋島の鎮守八幡神社は岩坪地区の西端の丘の上にある。
祭りは旧暦8月14日、15日で、勇壮な走り御輿で知られる。
神社の世話は惣代5人と組頭(本浦8組、岩坪4組)が当たるが、祭礼当番は交代で3組が務める。
御輿は本浦東西の2台、岩坪1台の3台。
輿守は1台に8人。

まず当番組の中から各神輿ごとにケイゴと称する中老の責任者が選ばれる。
ケイゴは輿守先頭を決め、相談して他の7人を選定する手順で選りすぐった若者が選ばれる。


12日、
各ケイゴ宅でハナガタメと称する会食後、
13日から3日間泊まり込みで肉食を絶ち、
夜は女性の目を避けて水垢離をとり、心身を浄めるとともに、
カケナラシをしたり密かに作戦を練る。
14日ヨミヤ参りの人々はカケナラシを見て15日の競争の予想を行う。

15日、
テングサンを先頭のお旅行列は岩坪から漁船2艘をもやった御召船3艘で、神慰め行事を行う内に本浦港に入る。
一番舟、二番舟、ついで三番舟が上ると緊張は頂点に達する、
巧みなかけひきの呼吸、
一番神輿が鬨をつくり走り出すのが合図でお旅所へと競う。
獅子舞奉納、
巫女の神事後、
御輿は再び村内の規定コースを走って11時すぎにお旅所へ納まる。
その夜は神楽、地芝居が行われたりする。

 

16日夕方、
御輿魚列はお旅所から浜の潮の中を競いながら、一気に八幡神社へ帰るのである。
努め方いかんで若者の値うちが決まるとあって輿守は力一杯の務めをする。
各地区の氏子の熱の入った応援が、一層雰囲気を盛りあげる。
かつてはダンジリもあったが今はない。

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