笠岡市笠岡
小学校の6年生の時、母が”大仙さん”に連れて行ってくれた。
笠岡中央商店街もスサキ通りも、すごい人の数だった。
母は買物のため、ある商店に入ったが、そのお店もまたいっぱいだった。
今になってみると、あの笠岡商店街の繁栄は夢だったのだろうか、とさえ思いながら笠岡を歩く自分がいる。
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「岡山の祭りと行事・上巻」 岡山民族学会 山陽新聞社 昭和57年発行
大仙院の祭り
「大仙さま」の愛称で知られる笠岡市川辺屋町にある仏性山海蔵寺大仙院の祭りである。
同院は高野山系の真言宗の寺院で、元禄5年当地に建立された。
現在の堂宇は昭和35年から51年にかけて逐次改築されたものである。
毎月旧の23日、24日が縁日で、
お寺さんに大きな片木塔婆(へぎとうば)に戒名を書いて拝んでもらう「塔婆供養」や、
梵字のみの小さな経木塔婆を買い求めて参詣者自身が念仏しながら地蔵前の仮設オケに流す「水向け供養」が行われる。
単に仏の供養という以外に、こうすることによって死者は成仏し他界へ行くともいう。
15年ほど前までは、これら1年分の塔婆を海に流す「経木流し」が行われていたが、今は月ごとに焼却して灰を流している。
笠岡市、井原市、浅口郡をはじめ広く近郊一円の信仰を集め参詣者が列をなす。
かつては牛馬市が立っていたが、
今では植え木、農作業衣、雑貨、菓子等々が境内や沿道狭しと並べられる
特に暮れ、正月、3月に参詣者が多い。
縁日は近郊の農民、老人にとっては信仰にこと寄せてのレクレーション、町への買い物の機会でもあり、スサキ通りの商店街が活気にあふれる時でもある。
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