今週末の土曜日(平成26年3月15日)、全国のJRグループでダイヤ改正が実施されます。
そして今回のダイヤ改正では、九州から2つの列車が消えることになりました。
そのどちらもが、僕の地元の熊本に関係する列車たちです。
まず、鹿児島本線の特急「有明」号のうち熊本駅まで乗り入れていた1往復が廃止となります。
この“熊本有明” は、国鉄時代からの長い歴史を持つ伝統の「鹿児島本線縦断夜行列車ダイヤ」を引き継ぐものでした。
かつては寝台車も連結して鹿児島本線の起点である門司港駅から西鹿児島駅までを結んでいた夜行急行「かいもん」、
その後はJR九州が誇る水戸岡鋭治氏デザインの豪華車輌787系「つばめ型」を用いて走るホテルと賞賛された夜行特急「ドリームつばめ」として夜の九州西海岸線を走り続け、
九州新幹線開業後もその北半分、博多と熊本との区間だけは残されて、真夜中と夜明け前の特急「有明」として黙々と走り続けてきましたが、ついにその任務を終えて朝焼けの彼方に走り去ります。
特急「有明」の熊本駅乗り入れ撤退により、熊本駅に発着する在来線の特急電車は全て姿を消す事になります。
国鉄の分割民営化後、最初の「JR新型特急」としてデビューしたハイパーサルーン783系電車を用いた「ハイパー有明」として熊本の人々から親しまれていた特急「有明」に別れを告げるべく、僕も先月お別れ乗車をしてきました。
その際に撮影した車窓の動画を最後に紹介しておきます。
先頭車の前面がガラス張りの展望車となっているハイパーサルーンならではの前面展望と、夜明け前の熊本市内の風景が流れ去る側面展望の両方を収めていますので、走り去る特急「有明」の想い出とともにご覧下されば幸いです。
そして、九州新幹線からも熊本に関わる列車が姿を消します。
栄光の超特急「つばめ」のヘッドマークをボンネットに戴く名車、九州新幹線800系「つばめ型」。
でも…この列車は各駅停車運行の「つばめ」号ではありません。
「つばめ型」でも運行される、速達列車の九州新幹線「さくら」号。
その「さくら」号のうち、博多駅と熊本駅との間をシャトル運行していた“熊本さくら”も、今回のダイヤ改正で廃止となります。
かなり短い区間での速達運行という中途半端な設定のせいか、乗車率が極端に低かったのが廃止の理由だそうですが、乗客としてはゆったり空いている豪華な800系に乗れるので実に快適な「隠れた乗り得列車」でもありました。
しかし、同じ区間では今後も各駅停車の「つばめ」号が運行を続けます。水戸岡鋭治氏が手掛けた素晴らしいデザインとインテリアを持つ800系でのゆったりとした「急がない新幹線での旅」は、今後も楽しむことが出来そうです。
奇しくも同時にその役割を終え静かに走り去る、熊本と博多を結ぶ2つの列車たち。
鉄道を愛好する者として、これまで2つの旅路を楽しませてもらった僕から、労いと感謝の気持ちを捧げたいと思います。
楽しい旅をありがとう、さようなら。熊本の「有明」「さくら」。
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