民謡/梅若朝雲(駅前仙人)の徒然日記2007.1.28~

民謡&三味線の師範・釣り・料理など多趣味。

Day.1971 足尾切刀節

2012-06-21 02:33:33 | 民謡夜話
*****
栃木県・・足尾銅山・・当時日本で有数の銅山であったとか。
絹と銅は日本の大きな収入源であったのでしょう。
しかし、その排煙がもたらす「酸性雨」が辺りの山々の木々を枯らし
廃液は田、畑から豊かな実りを奪ったのです。
*****・・(毎夜拝見しているブログ記事から無断拝借。)
写真は検索から・・冬景色ではないのです・・上記説明の通り。


向こう通るはヨォ~ 工夫さんじゃないか かねがこぼれるコォリャァ~ たもとから

工夫さんとはヨォ~ 名は良いけれど 奥山住まいでコォリャァ~ 穴の中

ハッパ掛ければヨォ~ 切り端がのびる のびる切り端がコォリャ~ かねとなる

連れて行くからヨォ~ 髪結いなおせ 島田じゃ関所がコォリャ~ 通れない


*コツコツとノミとツチで銅の鉱石を掘る工夫たちによって唄われた唄である。





尺八の伴奏で朗々と唄われるこの唄は、数ある民謡の中でも特に優れた哀しいほど美しい唄だ。
民謡の多くは「作業唄」・・
(中でお座敷歌と言われるものは端唄『はうた』など、他のモノから派生した例が多い。)
哀しいにつけ苦しいにつけ、気を紛らわすために「唄った」モノが磨かれて美しくなった。
或いは「お国自慢」・・殆どの民謡がそれらに分類される。

足尾切刀節(あしおせっとうぶし)は、比較的判り易い内容である。
①工夫さんは賃金が良いんやなぁ~・・タップリ持ってはるわ・・
②そう言うけどね、見かけはともかく年がら年中穴の中でっせ・・(大阪弁で言う訳ゃ無いけど^0^)
③マ、仕事はね・・やればやるほど金にはなる・・が・・
④町へ?・・行きたきゃ連れてくから髪結い直せよ・・ちゃんとした形(なり)では関所がうるさい・・

時代の掛かった歌詞は味わい深いが、歌詞に於いてはのちに書き足される事も多い。
歌謡曲にせよ何にせよ、本当に言いたいのは一番だけ・・あとは付けたしと見るがいかがだろうか?
勿論、言い出したらアレもコレもと言うのは理の当然でもある。

何の世界にも通じるが、特に民謡の背景を思う事は大切なことであり表現に大きく影響する。
表現に影響するほどの唄が唄えれば・・だけど


彼(か)のブログは命を掛けて公害の訴訟をした緯人の物語であった。
ひどい公害をもたらした銅山にも立場によって悲喜こもごもの思いが・・有った事を思ったひと夜でアリマシタ。











コメント (4)
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