大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

国内リーグが所詮代表に奉仕する位置づけでしかない中国

2008-02-16 23:26:10 | 中国サッカー
中国サッカーについて久しぶりに書くけども、今年の中超の日程が例年よりかなり変則的である。というのも、W杯予選と北京五輪の関係で代表チームの練習のためにリーグ戦がその準備期間中は一切行われないことが明らかになったからだ。

中国協会の公式サイトにも08年の中超リーグ戦の日程がまだ掲載されていない。そこで複数の報道をネットで追っていても、はっきりしない。判っていることは、東アジア選手権後も尚もそのまま代表合宿が続けられ、来月のW杯予選の豪州戦に備えるというのだという。そして、豪州戦の後の3月末になってやっと開幕し、年末頃を目処にシーズンを終了させるのだという(マイナス20度近い真冬の長春で本当にサッカーをやるのでしょうか?)。

日本や韓国と中国におけるリーグ戦の違いは何か?このことを考えるカギは、まず中国におけるスポーツの位置づけというものを認識しなければならない。すなわち、国威の発揚ということである。そして中国がサッカーをプロ化させたのは、日本のJリーグのような高邁な理想とかいうことではなく、代表チームを強化する為でしかない。全てが国の為に奉仕しなければならないという正に「出線足球」なのである。この語の「出線」というのは予選を突破することを意味するのであるが、リーグ戦が代表の為に奉仕する存在でしかないのだから、代表の日程の為にリーグ戦の日程が犠牲になるというのは当たり前だということである。

近年、日本では代表とクラブの兼ね合いが問題になって、代表関係者側からは練習期間が短いという不満があり、クラブ関係者からは、ただでさえ過密日程なのにそこから更に代表の日程が入ることで選手をとられてしまう不満がそれぞれの側にある。では、中国のようなやり方が、日本代表ならびに協会関係者から見ても日本のサッカーの強化につながると映るだろうか?

恐らく彼らの答えはノーだろう。中国方式というのは確かに一緒に練習できる時間は長いが、その分試合数が少ない。まあ、これは親善試合を行うことである程度の試合カンは掴めても、所詮は真剣勝負ではない。そこは、代表選手らが所属クラブで激しいリーグ戦を競争することで得られるものには程遠いように思える。まあ、このやり方が良かったと言わしめるには、次の豪州戦で勝つ(引き分けるぐらいでは、リーグ戦の開幕を遅らせる意味がない)しかない。ACLで大連を率いてガンバと対戦したペトロヴィッチ(中国語では福拉多フラドゥオーと名前の音訳で表記される)にとってはこれ以上ないプレッシャーだとは思う。

しかし、こうしたやり方に対して中国国内で異論があるのも事実で、以下のサイトは、A代表の日程を考慮しながらも、北京五輪の期間中でも日程を中断しない日本や韓国のしっかりした(と向こうには映っている)リーグ運営を羨んでいる:

http://sports.sina.com.cn/j/2008-02-02/14023457802.shtml

この記事では、日程がままならず、リーグの基盤が固まらない中国のプロサッカーのレベルが低下し、それに比例して代表チームの実力も低下していることが指摘されている。

まあ、ちょっと気になるのが、写真にある浦和サポを「熱狂的な日本のサポーター」と紹介しているところですがw あちらからすればクラブ同士が闘うACLとて、「国対国」という枠組みでしか見ることができないということなのだ。この点、ACLで「セバハンを応援した」他サポがいれば、筆者のように相手(中国・韓国・イランの側)からの観点というのを意識していたが故に浦和にACLだけ肩入れしたサポがいる日本というのは、その多様な見方が許される分まだ健全な社会かもしれない。

日程の件に話を戻すと、単にリーグの日程を変更してまで代表の練習期間を増やせば予選を突破できると考えている近視眼的な強化策を取る中国足協(中国サッカー協会)を猪協(ブタ協)と中国人なんかは揶揄している。足協(ヅーシエ)と猪協(ジューシエ)という発音が似ているところから来ているのであるが、それを聞いてしまうとさすがに筆者も中国のサッカーファンに同情するどころか、中国人の屈折した自国のサッカー観に対して呆れてしまったりもする。彼らの屈折した心理は、例えば東アジア選手権を中国語では東亜4強賽というのであるが、それをなんと東亜3強賽などと自嘲気味に言ってしまうのだが、ここまで来るともはや呆れすら通り越してしまう。だっていくら弱いからと言って自国の選手や代表をここまで嘲る国民って他にいるだろうか?これはもう愛情の篭った批判とかではなく、自国のサッカーに対する侮蔑を感じてしまうのである。

となると、所詮テストでしかない今回の大会も、相手側の意識を考えると、中国にだけは絶対に負けたらアカンということです。対戦する国とは歴史的にも政治的にも因縁があるんだけども、中国人が自国のサッカーに対して抱いている感情を考えると、特に負けられない相手だと言える。

そう言えば代表戦で最後に中国に負けたのは、岡チャンが前回監督の時だったよな?あの反町ジャパンでさえも親善試合で3回やっていずれも負けてはいないんだから、そこんとこ頼んまっせ。

ただ、それで気になるのが、天洋食品の餃子食中毒事件のあと、真相が全く究明されていないのに、わざわざ日本の側から餃子を食べても安全ですというPRをやってしまっていることだ。別に全ての中国産が人体に影響を及ぼすとまで言うつもりはないのだけども(まあ、この点で日本のメディアの報道は大げさすぎる)、中国側は未だに真相を究明できていない(というかするつもりはなく、一部の反日分子の仕業ということで手打ちにしようとしている)。にも関わらず日本の側から歩み寄って餃子を食べて安全をアピールするというのは、話が逆ではないだろうか?

実はあのブッチー大魔王が選手に餃子が出たら食べるようにと指示したニュースが中国でも報道されたのであるが、その際に「日本選手が餃子を食べれば日中関係は改善されるか?」というネット調査に対して、「関係改善に寄与しない」と6割以上のネットユーザーが回答しているのだ。