大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

一昨日の最終節から学ぶ教訓

2009-05-22 05:39:32 | Weblog
一昨日の消化試合でガンバがメンバーを落として試合に臨んだことを、中国メディアは「放水(ファンショイ)」と皮肉っていた。この言葉の意味は、かつて中超で問題になった八百長そのものを指すんだけども、彼らはこういう言葉を使うこと自体、済南でガンバが勝って1位通過を決めて最後の消化試合をどうするかというのを判っていたことを意味している。だから、KENTさんのブログにも紹介されていたように、カントクは最後の試合でも決して「不放水(手を抜かない)」と約束していたんだけど、彼らはベストメンバーで行くことを不放水と捉えていたわけで、カントクの言っていたこととに認識のズレはあったには違いない。

ただ、こちらにしてみれば、若手を試す絶好の機会であったんだけども、山東にしてみれば、2位通過に影響が出て来たのには間違いない。ソウルが勝ったことによって山東は最終節勝つ以外に突破がなくなったわけで、これを中国メディアは、「ガンバが放水したお陰で山東は勝つ以外に道はなくなった云々」と皮肉を込めて書いている。だからまあ、Jリーグでいうベストメンバー規定というのは、メンバーを落として負けること云々だけでなく、その結果が他のチームの順位や次のラウンドに影響を及ぼすという視点(今回の場合は、山東とそしてラウンド16で対戦することになる鹿島)というのも入っているような気はするけどもね・・・だから、今回中国人は名古屋がメンバーを落としたことについては、北京国安が既に敗退が決定しているということもあって何も言ってはいない。

これに関して私個人の意見だが、メンバーを落とすことによって勝つ確率が下がったということは否めないし、何よりも試合結果が伴わなかったんだから、第三者が何を言おうと言い訳はしない。八百長だと言いたいのなら勝手に言えばいい。メンバーを落とすことは、一昨年の川崎から続いている、消化試合を与えられた者が行使できる特権に他ならないわけで、きちんとルールの中においてやっていることだし、AFCやJFAからも何かを言われたことはない。

ただ、放水云々を言うならば、5.6の済南での抗日戦において、既に突破が決まっているガンバに対して「取引」を持ちかけたという疑惑だって同時に追及されるべきではないだろうか。現にカントクにもカナモリにもあの手この手のレセプションの話しはあったみたいなんだけども、それってぶっちゃけ負けてくれ、ということを頼むためだったわけでしょ?

もっとも、中国ネットを徘徊していると、ガンバに対しては放水言っているのはあくまでも皮肉にすぎず、多くのブロガーはガンバがメンバーを落として来るというのは判っていたわけで、寧ろ非難の矛先は、2度もリードしながらスリウィジャヤ相手に逆転負けを喫した山東の不甲斐なさに向いているわけなんですがね。

前回のエントリでも中国はホームタウンデシジョンが強いだけだと書いたけども、それは裏返せば彼らがアウェー行けば借りてきた猫状態になってしまうことの裏返しだとも言える。つまり、これは南米でもある現象なんだけども、一方的にホームに有利な条件を作り出すということは、アウェーに対して適応力をなくしてしまうことを意味してしまうのだと筆者は考えている。だからまあ、日本のクラブはACLで来日するアウェーサポや母国のクラブを応援しようとする日本在住の外国人らに対しては必要なホスピタリティを見せているのだけども、それは何も相手のためだけでなく、ひいては自分たちのためでもあるわけです。嫌がらせなんか何もせず正々堂々と戦って勝つというのはある意味ホームとアウェーとの差を縮めてしまうかもしれないが、それがアウェーでタフになれる結果を生んでいるとも言える。

早い話、中国は自分で自分の首を絞めているだけなんですがね。

最後に、ソウル戦を通して、改めてベストメンバー規定というのは何かというのを考えてみる。要は、主力メンバーを出さないと見に来てくれた観客を裏切ってしまうという考えが根底にあるのだけども(それは確かに一理あるが)、昨日は必ずしもそうではなく、むしろ若手主体のメンバーを楽しみにして皆足を運んだということだ。イングランドでCLの後のFAカップにマンUが若手中心のメンバーに入れ替えたからと言って誰も非難はしないのだけども、ベストメンバー規定というのは単に規定をなくせばいいというのではなく、その根底にある発想というのが変わっていかないといけないのかな、という気はしますね。