常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

秋雨

2020年09月14日 | 登山
秋雨。しとしとと降り、風は肌寒いほどだ。この間までのあの暑い9月は何だったのだろうか。テレビからは暖房用の霧ヶ峰のCMが流れてくる。台風が去って季節が新しい舞台に立った。雨の日には、特別なシャッターチャンスがある。シオンの花びらの上にたまった雨の雫。花は秋雨の雫を受けて元気そうな様子だ。雨降りはいやだな、という気持ちはいつもあるが、外に出るとこんなにもやさしい光景が迎えてくれる。

紫苑は大学の女子寮の名にもなった。やさしい花かと思ったが、別名「鬼の醜草」とも言われる。茎は強直、葉はガサガサ。花の色だけが、秋を思わせる。可憐な野菊にはとても比べられない。どんな発想で、この花を女子寮の名にしたのか、不思議な気がする。良寛が台風の時に詠んだ長歌がある。その冒頭に秋の草々が出て来る。

 わが宿の 垣根に植えし 秋萩や ひともと薄 おみなえし 紫苑なでしこ
 ふぢばかま 鬼の醜ぐさ・・・

日本の四季が姿を変えつつある。本来寒い冬と暑い夏の間には、春と秋があって、緩衝剤のように少しづつ、少しづつ秋から冬へと、微妙に移ろっていくのだが、あれほど暑い夏が9月まで続いて、急カーブを切って冬に入ろうとしている。大雪山や鳥海の初雪の知らせもすぐに来そうだ。花たちだけは、暑い9月であっても秋の花が咲いている。
コメント
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