朝夕の気温が下がるにしたがって、コスモスの花が増え、色が美しさを増す。コスモスも日本古来の植物ではなく、帰化植物とのことだが、これほど日本中津々浦々どこでも見られれる花は珍しい。日本に帰化して、古来の種をおしやってはびこる草花や、水生動物も珍しくないが、コスモスほど日本の風景に馴染んで違和感を覚えない植物も珍しい。スキー場の斜面に植えられたコスモス、学校の花畑、田の畔、電車の駅の片隅、そして庭の方すみで、風に吹かれて咲く姿は、日本の秋を彩る代表的な花といってもいいだろう。
コスモスの風ある日かな咲き殖ゆる 杉田久女
大正から昭和のはじめにかけて、モダンな花として親しまれてきた。それだけに、この花を見ながら、青春や生い立ちを回想する場面も多い。山口百恵の「秋桜」がヒットしたのも、そんな日本人の心の琴線ふれるものがあったからであろう。詩はさだまさしが書いたものだが、一度聞くと、何度も繰り返して聞きたくなる。ユーチューブから共有ささていただいた。この曲を聞きながら、日本の秋に浸って欲しい。
秋桜