常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

大根

2018年11月09日 | グルメ

大根の収穫が終わって、冬の保存をする時期

になった。今年は大根を畑に撒かなかったの

で、方々から大根をいただく。ありがたいこ

とである。尾花沢の親せきからは、沢庵漬け

用の大根を貰うことになっている。我が家で

は沢庵のほか、大根おろしにして焼き秋刀魚

にかけたり、ちりめんを混ぜて食べる。実に

用途が広い。なかでも一番の好物は、細切り

にした大根と人参の炒め煮である。素朴な和

食の原型とも言える。

仁徳天皇にこの大根を詠んでだ歌がある。

つぎねふ山背女の木槌持ち打ちし淤富泥

根白の白腕枕かずけばこそ知らずとも言はめ

日本書紀に見える歌である。淤富泥はおおね

と読み、今の大根を意味している。天皇の妃

はイワノヒメと言い、嫉妬深い人であったら

しい。天皇が別の女性に興味を持つと、すぐ

に難波の宮をでて、山背の筒城宮に移ってし

まった。この歌は、天皇が妃の機嫌を取り結

ぼうとして贈った歌である。大根の白い根を

妃の腕の白さに例えているのが面白い。大根

はこんな古い時代から栽培され、食用にされ

て貴族から庶民にまで愛されてきたことを示

している。

スーパーの野菜売場では、葉を切り落として

売っているが、葉がおいしく食べられるのを

忘れてはならない。小さくミジンに刻んで塩

で浅漬けにしたものを熱いご飯に混ぜる菜飯

は、大根の葉のおいしさをしみじみと感じさ

せてくれる。

暖かい気温に誘われて咲いたツツジの帰り花。

 

コメント
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