常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

枯れ葉

2018年11月06日 | 日記

青空のもと樹々の葉は枯れて、風もないの

に散っていく。散り敷いた落ち葉もまた美

しい。だが、こうした光景を見るとなぜか

心に悲しい気持ちが起こる。人には、この

季節がくると、やがて厳しい冬の寒さがや

ってくることを本能的に知っている。原始

の時代から知恵を駆使して生き延びてきた

歴史が身体に刻み込まれている。そこには

その厳しさに耐えきれずに悲しい死を遂げ

た祖先の思いが幾層にも積み重なっている。

良寛の歌がそのことを知らしてくれる。

秋もややうらさびしくぞなりにけり

いざ帰りなむ草の庵に 良 寛

この感情は洋の東西を問わない。また老若

を問わずひとしく人の抱くところだ。ドイ

ツの抒情詩人クロアサンの「秋」を読んで

欲しい。上田敏の訳詩集『海潮音』より。

けふつくづくと眺むれば、

悲しみの色口にあり。

たれもつらくはあたらねを、

なぜに心の悲しめる。

 

秋風わたる青木立

葉なみふるひて地にしきぬ。

きみが心のわかき夢

秋の葉となり落ちにきむ。


ここ数日、朝、霧がたちこめる。ここにきて

冬は少しだけ停滞しているように見える。平

年に比べて気温が高く推移しはじめた。

コメント
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