今日、立冬。この日を迎える前に、蔵王、月
山に初冠雪。数日前に瀧山にも雪がきた。こ
の地では、瀧山に雪が三度降ると、次は里に
降ると言い伝えられている。この数日、気温
が平年より3℃前後高く推移している。小春
好日といいたいのだが、惜しむらくは、小雨
模様が続く。日がささなくても、気温が高い。
南の暖かい空気が、流れ込んでいるためだ。
週末は山友会で、残り少なくなった紅葉を愛
でながら、山寺周辺の山を散策する。日替わ
りのように変わる天気だが、青空のもとでの
散策を期待したい。
七十歳を古稀と言うが、今ではこの言葉は死
語に近い。国では七十歳まで働く環境を作り、
年金の支給をこの年から始めることを検討し
ている。それほどに今は、七十歳はまだ若い
ということか。何れにしても、この年は人生
の秋が終わり、冬を迎える年であるに違いな
い。江戸の漢詩人館柳湾の詩が身に沁みる。
秋尽く
静裏空しく驚く歳月の流るるに
閑庭に独座して思い悠悠たり
老愁葉のごとく掃えども尽き難く
蔌蔌声中又秋を送る
蔌蔌声中(そくそくせいちゅう)とは庭に
葉がはらはらと落ちる音を表現している。
どうも秋の詩歌は、老いの嘆きを詠むもの
多いのを遺憾とする。