福田の雑記帖

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アトリオン室内合奏団(ACO)第28回定期演奏会「名曲の贈り物」

2008年04月12日 06時30分11秒 | 音楽談義
 3/20(日)14:00から秋田市のアトリオン室内合奏団(ACO)第28回定期演奏会「名曲の贈り物」を聴いた。
 大谷康子氏のヴァイオリンソロ、指揮は音楽監督で秋田大学教授の四反田素幸氏で、オーケストラパートの数曲は四反田氏の編曲によっている。

 プログラムは、■エルガー:愛の挨拶(四反田素幸編曲)■バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BVW1041■クライスラー:愛の喜び・愛の悲しみ・美しきロスマリン・中国の太鼓(何れも四反田素幸編曲)■ハイドン:セレナード 弦楽四重奏曲へ長調より■グリーグ:ホルベルク組曲作品40より第1楽章■バッハ:G線上のアリア(四反田素幸編曲)■マスネ:タイスの瞑想曲(四反田素幸編曲)■ヴェルディ/アラール:「椿姫」ファンタジー作品38より乾杯の歌(池辺晋一郎編曲) ■ディーリアス:エアーとダンス■芥川也寸志:弦楽のための三章から■モンティ:チャルダッシュ(アンコール)

 ソロの大谷康子氏は東京交響楽団コンサートマスターで東京音楽大学教授でもある。コン・マスとしては東京シティフィル、東京交響楽団の演奏会を聴いたことがある。当たり前だが当時は随分若かった。彼女のソロ演奏を聴くのは初めて。ACOとの競演は2回目だというが初回のことは記憶にないから、多分聴いていないのだろう。
 柔らかい音質、深い音色、高度の技巧の持ち主である。楽器は1708年製のグァルネリとのこと。オケをバックに何曲を何ら苦もなさそうに、華麗に、サービス精神豊な笑顔と共に弾きあげた。
 ピアノ伴奏では恐らく彼女は一層細やかに、より型にはまった演奏するのではないかと思われたが、今回は室内オケがバックでむしろ自由度が増しているのであろう、弾いている姿、表情は実に楽しげであった。

 今回の曲のほとんどは私にとっても身近であるが、これだけ並べられるとうれしさを飛び越え申し訳なくなる。
 そのうちの一曲、「椿姫」ファンタジーより乾杯の歌(池辺晋一郎編曲)は初めて聴く曲。アラールはヴァイオリニスト・作曲家・パリ音楽院教授でサラサーテの師だとのことで、オペラの旋律を用いたファンタジーを幾つか作曲している。「椿姫」ファンタジーは何故か大谷氏しか演奏しないのだそうだ。なかなか面白い曲であった。後でCDを求め、じっくり聴きたいものだ。

 アンコールは何曲か演奏されたが、曲名などは忘れた。最後のチャルダッシュは意表を突いて客席後方から弾きながら現れ、ステージに向かって歩きながら、時に立ち止まり、表情豊かにサービスしてくれた。足下は大丈夫かと心配したが段差など演奏には全く影響なかった。
 良いひとときを過ごし得た、と思う。


コメント
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