福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

「特定健診・特定保健指導」(1)私はメタボリックシンドロームと言わない

2007年09月25日 06時46分14秒 | 医療、医学
 平成20年度から従来の老人保健法に基づいた健診に代わり新しい「特定健診・特定保健指導制度」が始まる。これは国が医療費抑制のために疾患の治療から予防に視点を大きく移すことを示している。

 そのポイントは3点である。
● 健診・保健指導にメタボリックシンドロームの概念を導入
● 糖尿病等の生活習慣病患者、予備軍を25%削減
● 医療保険者に健診・保健指導を義務化

 最近、何処の学会、講演会等に行ってもとにかくメタボリックシンドロームが花盛りで、多方面からが話題の中心になっている。やっと日本語で「内臓脂肪蓄積症」「内臓脂肪症」ともいわれるようになって来ている。私はそれらの名称を用いず「デブ」と言っている。勿論デブにも種類があることを分かった上である。

 厚労省も普及に一生懸命である。確かに、メタボリックシンドロームは数々の合併症を持つことからその予防と治療は大きな意義がある。

 話を変えると、禁煙運動は別の意味から盛んであり、喫煙者は徐々に追いつめられている。彼らは「そんならデブはどうなのだ!!」という。たばこと肥満、特に内臓脂肪症は本質的に異なる点が大きいが、健康を害し、医療費を消費することは同じである。だから、彼らの叫びには一理ある、とも言いうる。

 昭和30年代に実施された国民皆保険制度は、今持続させうるか否かの重要な時期にある。特に財務省は高騰する医療費の抑制に必死であり、厚労省も経済的締め付け論の一部には抵抗しながらも、医療費抑制策を繰り出してこざるを得ない状況にある。

 平成20年度から施行される「特定健診・特定保健指導」は医療の主眼を治療から予防にシフトさせることによって国民皆保険制度を堅持させるためと言う。その方法論としては健診受診率の向上と健診後の生活指導の徹底で基本は「メタボリックシンドローム対策」と言えよう。確かに、国の方針として「デブ対策」とは絶対に言えない。こんな事を口に出したらその人は更迭必須である。私も患者から責められているが「メタボリックシンドローム」では言いたいことが伝わらないもどかしさがあるからやはり「デブ」と言っているのだ。
 
 確かに、疾病予防対策重視は良いと思うが、医療機関や健診機関にとってはまた業務が増えていく。
 一方、肝腎の国民の健康に対する意識改革が乏しい状況にある以上、そんなにこの制度が効果を上げるとは期待できない、と私は思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

講演会場はマイクの音響調整が大事

2007年09月25日 02時36分32秒 | コラム、エッセイ
 この週末は沢山の講演を聴講できた。

 秋田市でこの週末、第49回全日本病院学会大会秋田大会が開催された。学会長は本荘第一病院の院長である。会長の御配慮であろう、数日前に私に招待参加証とプログラムが送られてきた。学会が秋田で開催されることは知っていたが参加予定にしてなかったが、講演内容がとても魅力的で参加することとした。 

 9月21日(金)午前には関連の「第8回人間ドック研修会」があり、●特定健診について、●勤労者の健康管理-糖尿病の予防、●勤労者の健康管理-生活習慣病、特に高血圧の予防、を聴講。
 9月22日(土)は午前に全日本病院学会の講演、●日医唐澤会長講演●厚労省医政局講演、●松山幸弘氏「医療改革の方向と民間病院の選択肢」、●シンポジウム「勤務医不足下の医療」、を聴講。
 9月23日(日)は全日本病院学会の講演●小松秀樹氏「医療を崩壊させないために」を聴講。次いで秋田県医学会総会●シンポジウム「秋田県からメタボリックシンドロームをいかにして撲滅するか」の一部、午後は県医師会設立60周年記念医学大会の受賞者講演●高血圧の治療●大腸の内視鏡的診断と治療●重症膵炎の集学的治療、特別講演●自治医科大学小児科桃井教授「発達障害と遺伝子」、を聴講。

 個々の講演内容はそれぞれであったが、それとは別に、全日本病院学会の会場となった秋田View Hotelの音響の低域が豊すぎて聴き取りにくくとても残念であった。特に、9月22日(土)第一会場午後のシンポジウム「勤務医不足下の医療」の講師は多くの内容を短時間で早口で述べたためにスピーカーから流れる単語が折り重なり、こもって苦痛であった。

 総合保健センターの音響もやや低域が豊で気にはなったがそれほど不快なレベルではなかった。

 全ての講演は録音してあるが、これをクリアに聴くためにグラフィックイコライザーを購入しようかと考えている。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする