福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

「目があれど見えず、耳があれど聞こえず・・」(2)聴き、改めて無学を知る

2007年09月29日 07時13分32秒 | 医療、医学
 本日夜は「医療安全」全職員学習会であった。看護師、コメディカルを中心に会場がほぼ一杯になった。医療行為の最前線に経つ看護師達の方々の関心が高いのは当然でもある。ぜひ、あらゆる機会を得て学習して欲しいものである。

 中堅以上の世代の医師は何人か出席していたが、残念だったのは最もこの方面の知識や経験が乏しく、「医療安全」に特に関心を持って欲しい研修医を含めた若手世代の医師の参加が少なかった事である。
 若手医師は医療行為において先輩医師の庇護下にあるために自覚が少ないのかも知れない。もし、そうだとすれば始めから聞く耳を持たない、と言うことであり、これは医療関係者にとってはとても危険なことである。ケアレスミスの多くは身近な同僚とか先輩が発するちょっとした注意、ポイントを聞く耳を持たないことから発生している。

 本日の講演で話された内容は、講師の表情を含め、文献では到底学ぶことが出来ない貴重な内容であっただけに、とても残念であった。

 「聞くと言うことは即ち学ぶこと」であり、学ぶにつれて逆に自分が如何に「知らなかった」と言う事実を知る事でもあり、そこから新たに学ぶ動機、切っ掛けを得ることでもある。「知っている」と言う自分独りよがりの思いこみによって聞く機会を失うということは「選択的難聴者」であり「危険を抱えている」と言うことと同義である。

 「百聞は一見にしかず」という言葉があるが、「百聞をせずに、一見することでわかった積もりにする」、とても危険な現代の情報化社会の軽薄さにまず気づく事、自分の無学に気付くことである。
 多くの方々のの考えを聴くことは、一層知識を堅固にし、誤った考え方を矯正していく貴重な機会である。決して自ら五感を捨て去ってはならないのだ。
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