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【目から鱗】(第3回『植込み材』)タイで植物を育てるヒント

2024年05月31日 19時15分00秒 | タイで園芸
「タイで植物を育てるヒント」の3回目は『植込み材』について。

植込み材は別名コンポストとも言い、土やココナツ殻など鉢の中で植物を植込む資材。
植込み材は「無機質」と「有機質」に大きく2つに分類される。

無機質とは砂や小石で、日本では桐生砂や鹿沼土や赤玉土が使われており、これらはタイでも通販や都市部の専門店で購入できるが、割高なので高額商品でなければ普通はケプダム(籾殻燻炭)が使われる。

ケプダムは保水力が弱くて水やりを気を付けなければならないし、通気性を改善する為に籾殻を混ぜたりするが、この籾殻が有機質なので分解されるのに周囲の窒素分が奪われていると感じて、私は使い難いと思っている。(使いこなせないだけ。w)

有機質の植込み材は、水苔やココナツ殻。タイでは安くて使い易いのでココナツ殻を遣う事が多く、私も大部分の植物をココナツ殻へ植えている。

これから一番使う機会の多いココナツ殻について書いていく。
ココナツ殻はバンコク郊外から南部の産地で剥いた外皮を刻んで各地へ配送されており、嵩張るので割高でウドンタニだと肥料袋1袋200バーツくらいから。ビニール袋へ小分けして売る園芸店が多い。
大切り、小切り、粉とサイズは様々だが、粉は使い難い。
買う時に気をつけるのは鮮度。
新しいと硬いが、古く劣化すると朽ちたスポンジの様にボロボロと崩れ、植物を調子良く育てるのは難しい。

使う前に水へ漬けて一晩置くと、水が赤茶色になってアクがある程度抜け、水を吸って柔らかくなる。
長く置き過ぎると腐って悪臭が出るので気を付けて。
我が家ではアクが抜けきってないが、このくらいの前処理で使っている。
植え付け後に数週間は水やりの度に赤茶色の水が鉢底から出るが、特に植物へ問題は無い。

植え付けは少し硬めに鉢へ押し込んで、植物をココナツ殻で挟み込むと良い。
もしココナツ殻が大切りで可能なら、ココナツ殻の繊維の向きを縦にすると調子が良い。

ココナツ殻へ植えて気をつけるのは乾燥。
水やりを忘れて乾燥させてしまうと、ココナツ殻は水を弾いて吸わなくなってしまう。
その時は何度も繰り返し水を掛けるかバケツの水へ浸けると良い。

新鮮なココナツ殻へ植えても、早ければ半年先、遅くても1年経てばココナツ殻が劣化して植え替えが必要になる。
園芸店から買ってきたばかりの植物が、既に植え替えが必要な状態かも知れない。


上の写真は右側が新鮮なココナツ殻。真ん中が繊維だけになり水を吸わない状態で、左は繊維が分解されて土になったもの。

繊維だけで水を吸わない状態は、ココナツ殻が白っぽくなり、水やりしても鉢がさほど重くならないので気が付く。

繊維の分解が進んで劣化した時は、下の写真の様に植込み材を指で押さえると、植込み材が柔らかくて指が深く埋まるので見つけられる。
根を崩さない様に植込み材と植物を鉢から抜くと、植込み材のココナツ殻が上側だけでなく底の方まで黒っぽくなっており、指で植込み材を触ると繊維が簡単に切れてボロボロと崩れる。

植物の成長が止まったり、葉の先が枯れたりした時は植込み材を確認し、劣化していれば早めに植え替えるべきだ。

妻が栽培しているファーンカールアン(タニワタリ)は、

根がスポンジ状になって植込み材を包み込むので劣化に強くて枯れたりはしないが、
アグラオネマやアロカシアなんかは

早々と成長が止まって根腐れまで一直線だ。

植物が枯れてしまうのは、「硬水」と「植込み材の劣化」が大きな原因だが、続きで「光」「肥料」「病害虫」について書きたい。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
焦ってきました (サコン人)
2024-05-31 21:28:10
移住に向けて宅内整理をしていますが、捨てても片付けても古い物が奥から出て来て、終わりが見えないように感じ、焦り始めました。
営農日誌に触発され、先日、植物関連の本を買ったのですが、焦りから、読む暇というか余裕もなくなってしまいました。
でも、メンカームさんのブログを読む時間は心のオアシスです。
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Unknown (menkarm)
2024-06-01 09:07:52
サコン人さん
私は日本で狭いマンション暮らしでしたが、1つしかない押入れからドラえもんのポケットの様に湧き出る物にウンザリしたのを思い出しました。w
買い換えようと思っていたパソコンやチャイルドシートまでケチな嫁がタイへ送ると言い始めて困ったなぁ。www
本はタイへ来られてからゆっくり読まれて下さい。
ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
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ウチの嫁も (サコン人)
2024-06-01 14:29:51
電動アシスト自転車をタイへ送ると言い出しました。
運賃はともかく関税ガッポリ取られるのでは?との不安がよぎったのですが、頭ごなしに否定すると機嫌悪くさせるだけなので、暇みて調べてから話そうと思ってます。
ところで、メンカームさんの家庭では荷物は郵便局留めにしたと書かれてましたが、やっぱり宛先の郵便局に連絡するなり許可取るなりしないといけないんでしょうか?予定地の管轄郵便局のセンターになるんでしょうが・・・。
嫁も面倒臭がって、尻に火が点くまで調べなさそうで、目下それが一番不安です(汗)
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何度も失礼しました (サコン人)
2024-06-01 14:52:54
過去記事を探ってみると、タイ郵便のリンクまでついていたので、嫁に読ませてみます。
移住前後の話のカテゴリー内で、一通りどころでなく2回以上読んだはずでしたが、流石にリンクまで貼っていただいてた事までは記憶なく、失礼しました。
当該記事の一つ前の記事で、衣類の件はハッキリ覚えていて、改めて苦笑というか同感というか、タイ嫁あるあるというか、ですね(笑)
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Unknown (menkarm)
2024-06-01 17:47:09
サコン人さん
私の時はネットでタイでも局留め郵便が可能と知りまして、そんな送り方を知らない妻が否定しますから、集落の担当郵便局へ電話で確認を取ってから送りました。
当時の郵送では課税されませんでしたが、近年は細かく課税してますね。
十年ほど前に課税された時は通知書が来てムアンの中央郵便局まで納税と受け取りに行きました。
最近はどうなのでしょう?
この頃はタイで買える物も多いですし、日本のアマゾンで買ってエコノミー配送も可能ですから、持参しなければならない物は少ないでしょう。
電動自転車はバッテリー部分が送れるのでしょうか?
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大変参考に成りました😁 (ハシビロコウ)
2024-06-02 10:01:16
植物の種類、その環境によって深淵な知識が色々必要なものだと感心しました。

ココナッツの木が逆光の夕日に見える景色は、内陸でも海辺でも見飽きない、もっとも好きな景色の1つです。そんな景色が沢山ある熱帯地方、結構仕事が有ったタイは何時行っても楽しみました🌴🌴
タイの人は生まれた時から見ている方が多いでしょうから、特段の感慨はないかも知れませんが…
ヤシのジュース、乾燥コプラも好きな食べ物です。
ヤシの実の殻も有用で、実際利用している。
藁も利用している方が多い見たいですが…
経済合理性で、日本では数十年前から中国その他から輸入しているみたいですが、無知な(笑い)人々がSDGsを叫んでるみたいで、全く何だかなぁ(笑い)
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Unknown (menkarm)
2024-06-02 14:59:11
ハシビロコウさん
日本とタイは環境が違いますから、日本の方が読まれても参考になるか判りませんが、熱帯で植物を何度も枯らしている人には目から鱗のヒントになるかも?w
私はタイで暮らしていても39まで日本へ居ましたから、タイでも日本と似た景色の場所が好きです。
ウドンタニからコンケンへ向かいますと私が育った山口県防府市の大平山へ少しだけ似た鉄塔の多い山がありまして、故郷を思い出します。
バンコクへ行くときはサラブリ手前に天神山が…www
山があって川があってカンチャナブリも好きな街です。
SDGsについては高い(と思われる)理想に基づいた素晴らしい目標が掲げられてますが、例えば貧困を無くすにしても極力働かないで落ちてくるお金を口を開けて待ってる人は居るわけで、例えそれを教育で改善しようとしても文化や習慣を変えるのが本当に正しいのか疑問があります。
また環境問題についても、我々が暮らす太陽系は2億5千万年かけて銀河系内を公転しており、太陽系の位置によって環境が大きく変化し、それが地球上の生物の進化の歴史に大きな影響を与えてます。
常に変化し続ける環境を人の力でどうしたいのか…www
地球温暖化なんてヒステリックに騒いでますが、何年か先に小氷河期の確率が97%という研究もあります。
サヨクみたいに主義主張へ都合の良い部分だけ拾って騒いでもなぁwww。
植物が好きな私は、二酸化炭素の濃度が上がると楽しみが増えそうでwww。
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Unknown (muga)
2024-06-04 05:22:03
タイのような熱帯雨林では植物なんてほっときゃ育つだろと思ったら大間違いのようですね
うちの鉢植えは全滅状態ですが なるほど枯れるには理由がある 小まめな気遣いと世話が必要なんですね
小さめの欄は時々水をぶっかけて直射日光の当たらない位置にぶら下げときゃOKと思ってますが
根っこが絡みついてる部分ココヤシだとすると手入れが必要なのかも? 参考になりました
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Unknown (menkarm)
2024-06-04 14:21:22
ムガさん
自然では勝手に大きく育っている様に見えますが、環境に合わない植物が淘汰された結果を見てるだけですね。
ココナツ殻で鉢植えの蘭は毎年植え替えないと調子を崩し始めます。
面倒だから本物より高価な造花が売れるのかも知れませんね。w
「造花なら欲しいが、本物の植物なら要らない」と仰るお客様も多いと妻が言ってました。
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