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タイの高校入試(後編)

2021年05月01日 01時44分00秒 | タイで子育て
先週の前編では各県のトップ校への入試について、ウドンピット校を例にして紹介した。
今週は後編でバンコクやその周辺にある有名校や各地の大学付属校について紹介したい。

最初は、バンコクの公立高校。
タイで人気も実力もナンバーワンと言われるトリアムウドムスックサー高等学校について。

入試はバンコク郊外の試験会場に於いて国数理社英の5科目で行われ、理系コースでも文系科目の高得点で合格する生徒が多いらしく、受験勉強で理系科目のみへ力を入れると厳しいかも。大手の塾へはトリアムウドム対策コースがある。
理数ギフテッドコースは、理数コースの合格後に実施される選抜試験で決まる。
バンコクの中心地でチュラ大へ隣接しており近くへ塾も集まっているが、学校へ寮が無く近くのアパート等の家賃は月1万バーツ前後。食費等の生活費も月1万バーツ弱で、学校や塾の学費も月平均で少なくともそのくらい。
平均して月3万バーツ以上必要となると、地方の会社員や公務員が子供を行かせるのは厳しいかも?
娘は入試へ行きたがったが、我が家は零細農家だし、女子高生へ一人暮らしをさせられないので受験させなかった。
バンコクで人気の高校は、他にもシーナカリン大学付属パトムワン校やボディンデチャー校等がある。
日本と違って、タイは住所による校区の縛りが厳しく無いので、受験は可能らしい。

次はカムノェトビダヤー高。(私へはカムヌゥヴィッと聞こえる)
英語名は、Kamnoetvidya Science Academy(略称 KVIS)
タイの石油関連大手国有企業PTTによって設立された財団が運営する全寮制の私立高校。定員が70人前後(確か?)と少なく難関。科学技術の振興を目的に設置され理系重視。
校舎はラヨーン県へあり、授業は英語で行われるそうだ。学費等は奨学金が支給される。
娘が小学生の時に通った塾の先生の息子さんがここから京大へ進学されたが、タイ国内の大学へ進学する生徒も居る。
塾のKVIS対策は、後に紹介するマヒドン高と同じコースへなっている事が多いが、一次試験を受けて落ちた娘へ言わせると、「難しくて手が出なかった(T_T)」そうだ。二次試験は実験の実技があり、対策コースを準備する塾もある。
一次試験は地方でも行われ、ウドンタニでも受験出来た。

ナコンパトム県のマヒドン大学サラヤキャンパスへある全寮制の高校。科学技術の振興が目的だそうで、学費や生活費へ奨学金が支給される。
毎年全国から1万人以上が受験するが、定員は240名の狭き門。娘も受験したが、一次試験の600人へ入れなかった。(T_T)
二次では知能を測る設問もあり、今年は紙とハサミを渡されて切り紙を作らされたそうだ。理科では実験に関する設問もあり(実技?)対策する塾もある。
一次試験は、ウォモウォや高専と一緒で、第4志望まで申し込める。
受験願書はネットで提出だが、毎年願書の提出に失敗する人が居るので注意!操作に時間が掛かり過ぎるとサーバーから切断され、それを繰り返すと接続規制されるらしく、ログイン出来なくなる。高校へ電話を入れ対応を頼んだ人も居たが、締切に間に合わないと判断されたのか、何も対応されなかったと聞いた。
郵送での願書提出も可能だが、事前にネットからログインして、願書郵送欄へのチェックが必要であり、ログイン出来なければ郵送も出来ない。こうなると上位の学校を目指して勉強して来たのに、選択肢の大半を諦める事になる。
事前に写真や必要書類を準備してファイル化しておき、願書の受付が始まると早めに手続きすべき。性能が低い古いパソコンやスマホからの願書提出は、リスクが高いので要注意。
地方へも受験会場が設置され、ウドンタニでも受験可能だった。

4番目はKOSEN(高専)
日本の国立高等専門学校機構の支援で、令和元年にキングモンクット工科大学ラートクラバン校へ出来た。
SNSのタイの教育関連のグループでやたらと名前が出て人気があり、一次試験は、マヒドン高と一緒に行われる。
学歴社会のタイで、高専の卒業生がどう評価されるか興味がある。最初の卒業生は数年先だ。

最後にウォモウォ。
マヒドン高が上手くいったので、タイ各地の大学付属校へ同じ仕組みを導入して出来たコース。タイ全国へ20校前後あるのでは?
科学技術の振興を目的に設置され、全寮制で学費や生活費は奨学金で賄われる。
イサーンでは…
スラナリー大学附属
 ラチャシーマー校
 スラウィワッ校
コンケン大学附属
 モーディンデン校
 スクサーサー校
マハーサラカーム大学附属校
…の5校へウォモウォコースがある。
娘は某校へ補欠からの繰上げ合格。危なかった。(^_^;)
レベルは学校によって違いがあり、一般に高い所でマヒドン未満かつ地方の主要都市のトップ校1組前後くらい。低い所は…3組くらいまでか?
上の5校の中でも、某A校は30人中医学部歯学部へ24人合格。別の某B校は30人中4人合格。同じカリキュラムで学んでも、このくらい違いがある。
入寮が必須で塾へ通い難いので、都市部へ住む生徒は避ける傾向があり、繰上げ合格は補欠の下位まで進行中する事が多い。
大手の塾も無い小さな県の生徒や、娘の様に通学に時間が掛かる(往復で毎日2時間弱)生徒が選ぶ傾向があるのでは?
ウォモウォの入試は、一次試験がマヒドン高と一緒に行われ、1つの大学へ附属校が2つあっても、その大学附属でまとめて1つ選択。第4志望まで可能なので、高専や他のウォモウォも併願可能。合格ラインを超えれば複数の合格判定が出るが、ウォモウォの二次試験日は統一されているので、受験できるのは1つのみ。但し附属校が2つある大学は、二次試験で2校をまとめて併願可能。
この時気を付けなければならないのは、2つの学校のレベルが大きく違う時。カリキュラムが同じでも成績が良い生徒が人気のある方へ集中する事もあるそうで、当然授業のレベルに違いが出るだろうし、大学受験にも影響が出て来る筈。
同じ大学の附属校で医学部歯学部へ24人合格したA校と4人だったB校を志願したWちゃんの話をしよう。
1つの大学へ附属校が2つある場合は、二次試験の願書へ志望校の欄があり…
A校
B校
AB併願A校優先
AB併願B校優先
…と4つの選択肢。
A校志望だけど、落ちるのも嫌だからと、「B併願A校優先」を選んだWちゃんだったが、入試結果はB校合格のみ。
そしてWちゃんとライバルだったXちゃんは、A校だけを志願して補欠からの繰上げ合格。
Wちゃんは、AB両方へ合格すればA校が優先されたが、試験結果がA校補欠でB校合格だったため、合格が優先されてB校合格のみとなってしまった。
同じ成績なのに、WちゃんはB校でXちゃんはA校へ合格となると、進学実績が大きく違うだけに不満な筈。B校では、地方の主要都市のトップ校1組の進学実績にも劣ってしまう。
進学実績の劣るB校でも良いので、どうしてもそこのウォモウォへ行きたいので無ければ、実績が良いA校のみを選ぶべきだろう。

高校の紹介はここまでだが、長くなってもう疲れてしまった。受験の話題だけに私より読まれる方がそうだろう。w
受験勉強については、来週に続きの「パパの失敗編」で…。
m(_ _)m


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2 コメント

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とても多様で~~♪ (ハシビロコウ)
2021-05-01 09:23:07
上位の人たちは、色々選択肢が広そう。日本でも実際はかなり広いのでしょうが、「平等信仰」でw学力は下の方へ遷移しているような気もします。
タイで村~町の学校で高校卒業して、地域で生活する選択肢が破綻しない様に、緩やかな社会環境が持続する努力も継続した方が良い気もします。

日本ではま、極端な所では、ホリエモ〇~ラクテ〇とか、頭は良さそうですが、ロクデナシが増えて居るようで、一方、BF高校やそれ以下の高校も延命措置wで職業に結びつかないけれど、実現不可能な淡い夢にヅット漬けて置くのもあるみたいで、将来は厳しい人たちも多そう。
戦前は、師範学校~海兵~陸士‥頭抜けて頭脳体力に恵まれていた人々は学費の無い+給与の有る路が準備されていましたが、今は、決定を先延ばしにしているだけの状況も在るし、そんな能力にも欠ける人々も平等に扱って、実は生活の資を入手する機会も与えないで飼い殺しwも有りそう。
教育は国家百年の計なのに、芸人とアイドル志向の率が高すぎるww
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Unknown (menkarm)
2021-05-01 15:07:08
 私が育った山口県では、一般に入試が始まるのは高校入学からで、細かく校区が設定されているので、市単位に1つある進学校へ入るのを競うのみ。
これが国単位、地方単位、県単位に進学校を設置して入学を競わせれば、大都市圏以外でも学習意欲がかなり活性化されると思うのですが、不平等だ格差だとサヨクやマスゴミが騒ぎそう。www
 本当に大切なのは機会の平等であって、結果の平等ではない筈なのに…。

 私は学校の勉強が嫌いで、高校から職業校へ行きたかったのに低レベル普通科へ入れられまして、本当に退屈でした。大学も好きな分野には成績が足りなかったので、興味が有る分野の企業へ就職し、二十年間毎日楽しませて頂きました。
タイへ来てからは、自分が持つ技術を活かせる機会が全く無く、自動車とかもっと身近な物の技術者へなれば良かったと後悔したり…。
もう一度人生をやり直せるなら、次は何かの職人になりたいですね。
芸人やアイドルは確率が悪すぎるwww。
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