「タイで植物を育てるヒント」の2回目は『水』について。
硬水を使うと上の写真の様に植物の葉へ白く乾燥したミネラルが残るので判る。
この様な簡易な硬度計で測定しており、タイのネット通販だと百バーツ程度で購入できる。
これを鉢へ取って栽培棚へ置くと絶不調で枯れてしまう。
写真は一番美しいので大神(おおが)ファーム様より勝手に借用。
妻が園芸店やホテル等の顧客から植物のトラブルで相談されて1番多い原因は水であり、問題がある方の多くは市街地の水路の水をポンプで汲み上げて使われている。
タイでは下水道が整備されてない場所が多く、排水は日本の様な浄化槽ではなく固形物を沈殿させただけで上澄みをそのまま流していたり。
既に閉店されたある園芸店は隣が小規模なホテルで浄化槽が不十分だったのか、水路の水を汲み上げて撒くと店内は大腸菌の臭いが漂っていた。
水質が悪い水を毎日掛けていれば、当然植物は傷んでしまう。
趣味で植物を育てる方が使われるのは水道水や井戸水が多いと思うが、実は綺麗な水道水や井戸水でも硬度が高いと植物へ使えない事がある。
硬度とは水へ含まれるカルシウムやマグネシウム等のミネラルの度合であり、含まれるミネラルが多いほど硬度が高くなり植物へ使い難くなる。
WHOの水質ガイドラインでは、軟水や硬水を炭酸カルシウム換算値で分類しており、硬度が0~60mg/l 未満を「軟水」、60~120mg/l 未満を「中程度の軟水」、120~180mg/l 未満を「硬水」、180mg/l以上を「非常な硬水」というそうだ。
硬度は降雨後の流域が長いと高くなり、川の上流域は軟水で、下流へ行くほど硬水になる傾向。
島国で国土の狭い日本は軟水が多いが、大陸部は硬水が多くなる。
私が暮らすウドンタニはメコン川支流の上流域で軟水の溜池が多く、それを水源とした水道水は軟水だが、太古は2度海だったそうで地下には石膏や岩塩の地層があり、井戸水が水源の水道水は硬水が多い。
硬水と軟水の見分けは口でも可能で、口へ含んで円やかなのが硬水で、スッキリ爽やかに感じるのが軟水の傾向。飲用に適さない程の硬水は口や喉がイガイガしたりする。市販のミネラルウォーターは300mg/lくらいが多いが、こんなに円やかで美味しい水でも植物によっては調子を崩してしまう。
毎日水やりするのにゆっくり弱って枯れてしまうのは、硬水が原因かも知れない。
硬水を使うと上の写真の様に植物の葉へ白く乾燥したミネラルが残るので判る。
こんな状態で陽射しが強いと葉焼けしたりもする。
我が家で実際に植物へ使う水は…
この様な簡易な硬度計で測定しており、タイのネット通販だと百バーツ程度で購入できる。
植物によって耐えられる硬度に違いがあるが、私の経験では120mg/l 未満の軟水が育て易い。
バンコク周辺の観葉植物や蘭の産地の水はお薦めする120mg/l を倍以上超えた硬水が多く、遮光を強くしたり肥料を効かせたりと工夫をして栽培されている。
タイの地方だと集落毎に溜池と浄水設備を持って水道とする地域が多く、軟水の水源を持つ集落もある。
消防車や給水車用の給水設備を持つ所も多く、相談すれば購入出来るので、園芸店には水質が良い水を運んでタンクへ貯めて使う人も居る。
硬水を軟水へ変える1番確実な方法はROフィルターの利用。
我が家が水で困っていた時は、農園で使うには数十万バーツしたが、最近は数万バーツからある。
軟水器(イオン交換樹脂)や炭酸ナトリウムでも硬度が下がるが、ナトリウムイオンが増えるので植物へは向かない。
育てる植物が少なければROフィルターで処理して売っている飲用水の利用が簡単。
コンビニで売ってる水は、RO処理した飲用水(軟水)とミネラルウォーター(硬水)があり、RO処理した軟水は「RO」と書いてある。
セブンイレブンブランドの緑色のラベルの水はRO処理された軟水だ。
地場の飲用水業者が5ガロン(18.9L)ボトルで販売されている水にもRO処理されたのがある。
我が家は一度に30本購入するので1本10バーツの業販価格。
ROフィルターを通してないのにRO水という業者も居るのでチェックは大切。
水やりにRO水を使うとミネラルが含まれてないので、植物へ定期的にミネラルを含んだ肥料を使うのをお忘れなく。
水質についてはここまで。
次は水やり。水やりの回数は育てる植物や環境によって異なるので、どれが正解というのは無い。
私の趣味の栽培場は月金の週2回が基本で、暑季は月水金と3回へ増やしたが、根腐れした物もあるので、水曜は掛けない植物もある。
着生蘭やエアプランツは毎日撒いている。
日本では蘭を水苔へ植えるので「乾かした後に水やりしろ」と言われているが、タイでココナツ殻へ植えた蘭を乾かすと、乾いたココナツ殻が水を弾いて吸わなくなってしまう。
もし乾かし過ぎた時は、バケツへ貯めた水へ浸けてしまうと良い。
妻の農園で水撒きを従業員へ頼むと、並んだ植物を面で捉えてサラサラサラっと葉が濡れる程度に撒いてしまうそうだが、鉢を手に取ると軽くてほとんど水が入ってないのが判る。1つ1つの鉢へ鉢底から水が出るまで掛けるのが正しい。
園芸農家な妻は栽培棚からいくつかの鉢を抜き取って重さで水の量を確認して水やりをしており、気温や乾き具合から小さな鉢だと毎日撒いたりで、私の様に定期的に撒いてしまう手抜き栽培ではない。w
農場へはスプリンクラーがあるが、使うと最低でも手撒きの3倍の水が必要だし、鉢も水で十分に重くならないので、時間が無い時だけの利用。
植物の状態を観察しながら一鉢ずつの水やりは面倒だが、状態の良い植物を育てるには欠かせない。
撒く時間は朝が基本で、気温が下がる夜までに葉を乾かしておくと傷み難いと言われている。
猛暑で植物の温度を下げたい時は、夕方にサラサラと葉水を軽く撒く事もある。
種類やサイズや環境で必要な水の量や回数は異なり、個別に細かくやれば植物の調子は良くなるので、仕事でやっている妻は丁寧だが、私の趣味の農園だと、私のやり方に合わない植物は枯れる運命。w
最後に湿度について。
私の趣味の栽培場の栽培棚の下にはアジアンタムが雑草化して生えているが、
これを鉢へ取って栽培棚へ置くと絶不調で枯れてしまう。
同じ場所で高さが1m弱上がっただけなのに何が違うの?と悪戦苦闘していると、↓の動画
で台へ置くと湿度が足りないと知った。
アジアンタムは涼しげだし、新葉が紅葉の様に色付く品種が私は好き。
アジアンタムは涼しげだし、新葉が紅葉の様に色付く品種が私は好き。
写真は一番美しいので大神(おおが)ファーム様より勝手に借用。
m(_ _)m
動画で対策法が紹介されているので、またチャレンジしたい。
次は『植込み材』を予定。
(たぶん水のやり過ぎかと)
(接ぎ木の失敗は、接ぎ方がヘタなだけ)
なので、今回の水に関するネタも興味深いです。
実生で育てようと柿の種を土に埋めておいたら、200本以上も芽が出てしまって困った事があって、その成功体験から、挿し木も簡単だろうと多寡をくくっていたのですが、ほとんど失敗で凹んでいます。
因みに挿し木で成功したのは柿とイチジクだけですが、無花果なら似たような物がタイにもあるようなので、一軒家に住んだら育ててみたいと思います。
今後の参考にしたいので、農芸全般についての記事も定期的に書いてくださいね。
嫁も農地をドンドン買い増していってるのですが、田舎の爺さんだけでは植付が追い付かないので、何かやりたくてウズウズしています(笑)
私はタイへ来て最初に果樹園をやりたくて、ウドンタニではありふれた苗しか入手出来ないのでパッチョン(サラブリの北)まで行って色々な果樹苗を買い、カチカチに硬い土を掘って植えましたが、枯れずに成長したのはマンゴーやラムヤイ等の集落へありふれた果物だけでした。w
粘土質で水捌けが悪いですし、土壌や地下水は塩分を含みますから、自然から切り離さない限りは利幅の取れる作物は作れません。
また栽培に技術的なハードルが無ければ直に真似されてしまいます。
タイの稲作は規模が大きくないと儲からないみたいで、我家の回りには耕作放棄地も増えてますし、ナコンパノムの妻の田は小作料を払って借りる人が無く、無料で貸してます。
奥様は大規模農業を目指しておられるのでしょうか?
1~10まで、育てて販売してお金を回収して、次の植え付け、次の販売…信頼の獲得…他人が見ているとお気楽そうですが、さにあらずw
街の人が田舎に行って、自然が豊かで良いですね~今度は、真冬の雪かきの季節に来ればもう一段分かりますよぉ、見たいなww
ずっと、昔タイのプロジェクトで、可成りお偉い官庁の方のご自宅でお茶をご馳走になった時に、BKK近郊に有りましたが、比較的広い庭に草花や、ヤシの木その他果樹が何種類も有って、着生蘭や各種ラン類が比較的綺麗に育てられていて感心しました。
農業系のお役所ではなく工業技術院見たいな所の人でしたww
ペッチャブーン県に住む、自宅の隣地を買ったという親戚が、10年もしないうちに10倍に値上がりしたって話を聞き、2匹目のドジョウ狙いの単なる射幸心と思いますが、まあ、持ってても損はしないとも考えてはいるんでしょうね。
買った土地に父親がゴムを植えたり炭焼き窯を拡大したりしているのを3月に見て来ました。で、果てしない空き地が勿体ないので、果樹園をやって欲しいと私が言ったら、妙に夢だけ広がったようです(笑)
メンカームさんのご意見に納得し、私も家を買うのはやめようかな?と思っていたところに、農地を見てしまったので、子が親元を離れたらイサーン人になるのもいいかな、と私も思い始めました。
>栽培に技術的なハードルが無ければ直に真似されてしまいます
イチゴの水耕栽培なんかどうでしょう?タイで美味しいイチゴを食べた記憶がないのですが、9年も日本にいる私は浦島太郎でしょうか?(笑)
自転車で走ると気持ち良いですが、乗れるまでには何度も転んで…みたいな感じで、何をするにも見ただけでは判らない苦労がありますね。
タイのお庭は凄いお金持ちだと御庭番が常駐されてますし、定期的に業者を入れる人も多いです。
パーティーの前日になって急遽庭の植物を入れ替えてと言われ、妻が飛んで行ったことも。
珍しい植物を良い状態で育てるには知識が必要で、日本と比べて公開された情報が少ないタイでは花卉農園も大学の先生が創業された所が多いくらいでして、大型観葉植物がステイタスシンボルだったりします。
植物はどれも同じに見えますが、骨董の中国陶磁器と同様に市販品とは少し違う一流品がありまして、拘りのあるお金持ちの庭へはそんなのが置いてあります。
タイではトコソー(農業組合省の金融機関)で農地を担保に金を借り、借りた金は飲み食い買物で使ってしまい、返済せずに借り換えを繰り返している人がかなり居ます。
子供達は都市部へ出て、農業をやっていた人達は高齢化。
どう対処するのか未だ答えが無く問題視されて報道されてます。
人口はそろそろ減り始めますし、都市部や幹線道路沿いを除いて今まで通りに値上がりするのでしょうか?
バンコクとその近郊でも空家が13%という報道がありました。
いちごの水耕栽培について、素人な私が思いついた事を申しますと、先ず問題なのは水温上昇への対処。技術的に下げるのは簡単ですが、コスト的にどうなのか?
熱帯の水耕栽培だとハワイに野菜を作る業者がいくつかあり、そこは池へ栽培棚を浮かべて作ってました。
タイでもいちご狩り農園がブームになっていくつか出来ましたが、私の周りでは残っていません。
甘いいちごが簡単に作れるなら誰かがやりますよね?
ニュースを検索すると東南アジアでも栽培可能な比較的甘い品種を日本の会社がマレーシアで品種登録したと出てきます。
タイは品種登録が無かった筈で、コピーされますから持ち込まないでしょうね。
固くて酸っぱいいちごでは売れないでしょう。
アメリカの植物工場でいちごを作って高く評価されている日本人が居られるそうです。
今までは植物工場で蜂へ受粉させられず、葉物野菜しか作れなかったのを解決されたそうで、トマトも作られてます。
うちで作っている観葉植物は、参入前だとウドンタニで500バーツで小売していたそうです。大きくて場所を取って葉が傷み易いので、バンコクから運ぶとその価格です。妻が参入後は200バーツ以下になりました。
妻が商業施設で直売する時は100バーツで売ってます。育てるのに1年半掛かりますが卸値はもっと安いです。
別の品種は珍品で小売だと一株2千バーツくらいしてましたが、妻は卸値二百バーツで売り始め、今は40バーツです。
それでも売るのに苦労してますが、全くの新しい物より、既に需要がある物を技術革新で価格破壊して頂いた方が簡単かも?
妻が始めて15年でイサーンの3つの農園が参入しようとして失敗されてます。
バンコクでも何人かチャレンジされてますが、受精して極小苗が出来ても大きくならない。
原因は私も知ってますが、飯の種ですから口が裂けても言えない。w
妻は品種改良と栽培法の改善に常に取り組んでます。
いくつもの技術的なハードルを乗り越えても、待っているのは売る苦労と追いかけられる恐怖です。
どの業種も同じでしょうけど…。
またもや内臓の何処かが痙攣をおこして眠れない夜が続きました、何に原因があるのか特定できないので やみくもにグルテン塩分糖分油分乳製品コーヒー等を止めてダイエット1週間、頭痛 悪寒 腹痛 腰痛が同時に襲ってくるので地獄ですよ
やっとお粥以外を食せるようになりました
アジアンアームは好きな観葉植物でして、日本ではディスプレーで必需品でした、なるほど湿気が必要なのですね参考になりました
痙攣 悪寒 腹痛 腰痛なら尿路結石の症状へ似てますが、頭痛もですか?
病院へ行かれては?
アジアンタムは家業を始めた頃にバンコクで赤い葉を見つけて一目惚れし、何度も買って帰りましたが、毎回失敗。
次は上手くやりたいと思ってます。