わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 22 土を伸ばす4 指の使い方3

2014-09-11 21:52:04 | 電動ろくろ入門
土を薄く伸ばすには、土の両側から指を向かい合わせて、力を入れて押します。

手のひら(掌)全体で押す場合もありますが、ほとんどの場合、掌全体で押す事は少ないです。

1) 土の壁の内外から力を加えて、肉厚を薄くします。

 ① 一般に器の外側は左手の指が担い、内側は右手の指を使います。(右回転の場合です)

  )「ぐい呑み」程度の小物では、例外的に右手の親指と人差し指で摘み上げ、薄くする事が

    有ります。左手は右手に添え、右手の振ら付きを抑えます。

  ) 土を上に薄く伸ばす際には、内側は右手の親指を除く4本の指が入る大きさにします。

    上記「ぐい呑み」程度では、右手の人差し指と中指の2本が入る程度にします。

    薬指と小指は邪魔に成らない様に、内側に折り指先が掌に付くようにします。

  ) 左手の肘(ひじ)は太もも、又は脇腹にくっ付け固定しますが、右手の肘は自由(フリー)

    にします。右手の肘を体に付けると、懐が狭く作業が窮屈になり、難くなります。

 ② 左手の作業位置。

   轆轤作業では、外側になる手(右回転では左手)が基準となりますので、最重要です。

  ) 左手は、回転する器の左側で作業を行います。

    作業する位置は、時計の針で言うと、最悪9時の位置です。出来れば8時付近で行います。

    10~11時と成るに従い、体が伸びる事になり、土を押す手(指)の力が土に伝わり

    ません。即ち、回転で手が流される状態になるからです。 

    最低でも。遠心力に負けない程度の力が必要です。  

  ) 人によっては、作業者のお腹(おなか)側で作業する人もいます。

    掌を向こう側(土の方向)に向けて使いますので、手首を捻る格好になり、力が入り難い

    です。又作業位置が上に行くに従い、左手の肘が体から離れ易く、固定が困難になります。

    肘が固定されていないと、回転力に負けてしまい、引き上げた筒は歪み易いです。

  ) 左手の指を真下、又は斜め下に向けて使う人もいます。

    この場合も、指を伸ばして使いますので、力が入り難い事と、左手の肘が浮き易くなります

 ③ 左手の使い方(動かし方)

  ) 土を上に伸ばす程、両手は高い位置に移動します。その際でも、左手の肘は固定した

   ままにして置きます。即ち、肘を中心にした円弧運動をさせます。そうすれば肘が浮く事は

   有りません。

  ) 左手は真横に倒して使います。円弧運度とともに、指先は徐々に上向きになります。

  ) 左手の親指を除く指3本(または4本)の指先を使う。

   a) 掌(てのひた)全体で土を押さない事です。前回述べた様に、面で押すと力は分散し、

    強い力が土に伝わりません。更に、土との接触抵抗も増えますので、拠れ(よれ)の原因に

    なり易いです。

  b) 手の指の長さは当然ながら異なります。そこで、一番短い人差し指に合わせて、他の2本

    の指(中指、薬指)を曲げます。簡単な方法は、親指を除く指先をテーブルなど平らな

    部分に垂直に押し付ければ、自動的にその形状にする事が出来ます。尚、小指は薬指に

    添わせます。

  c) 指の腹でなく、指先3本の指先を使います。(予め、爪は切ておきます)

    3本の指は揃えられています、3本同時に使う事もありますが、主に力を入れる指を決めて

    使う場合が多いです。人差し指、又は中指を使う事が多いです。

  d) 左手人差し指の第二関節部分を使う方法。前回少し触れた事項です。

   イ) 左手で拳骨を作り、親指は右手の親指と連結する為、他の指から離します。

     更に、人差し指の第二関節を他の3本の指の関節より、突出させます。

     この出っ張った部分で土を押して薄く伸ばします。

   ロ) この方法の利点は、指の長さを短く使う為、力が入り易い事と、指の保持が強固で、

     指の振れが起き難い事です。

   ハ) 欠点として、左右の親指が連結できる範囲が短い事です。即ち、土を伸ばす際の初期

     段階では、肉厚も厚く、背も高くありませんので、使う事は有効ですが、ある程度高く

     上に伸びた状態では、使い難く成ります。    

 ④ 右手の動かし方。

  右手は左手と共同作業で土を薄くします。

以下次回に続きます。
  
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