わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 35 底削り 2

2014-09-25 21:42:16 | 電動ろくろ入門
3) 削る作品を轆轤上に据える(セットする)方法。

  底部周辺を削り出しますので、作品をひっくり返す必要があります。その際に起こる諸問題を

  解決する為に、セットの仕方が色々考えられています。

  セットの仕方には、直接轆轤上に据える方法と、轆轤上に粘土を敷いてクッションとする方法

  及び、シッタ(湿台)を使う方法があります。 

  いずれの方法であっても、削りの途中で、作品が移動しない様に、何らかの方法で固定する

  必要が有ります。 

 ① 直接轆轤上に据える。作品に狂いが無く、口縁も凸凹すること無く、綺麗に轆轤挽きした

  作品に適します。但し、伏せて置いた場合、轆轤の外径より小さくなければ成りません。

  ) 利点としては、セットする事が比較的簡単に出来き、微調整がし易いことです。

    轆轤挽き途中で、部分的に高さに差が出た場合や、糸切での失敗で斜めに切れたとしても、

    底を水平に削ることで、口縁と底が平行にする事が出来る点です。

    皿の様に背の低い作品では、轆轤上に描かれた円又は、ご自分で描いた丸い線に、口径を

    合わせれば、特別センター出しは必要としません。

  ) 欠点としては、硬い金属に直接当たる為、十分乾燥させる必要があること。及び口縁が

    複雑な形状や凹凸のある場合、作品を安定してセット出来ない事です。即ち「ガタ付き」が

    出る事です。

 ② 薄い粘土板を轆轤上に敷き、その上に作品を伏せる方法。

   電動轆轤の回転盤は、金属(アルミ合金)で作られています。

   その為、直接轆轤に据えると、口縁を痛める恐れがあります。又、口縁に凹凸があると「ガタ」

   が出易い為、クッションとして轆轤上に粘土を薄く敷き、その上に作品を伏せます。

  ) 利点として、口縁を保護することと、口に少々の凸凹がありセンター出し(次回で説明)

   に苦労する場合は、一部を敷き土に潜らせることで、微調整できる事です。

  ) 欠点として、敷き土の上では作品が移動し難く、微調整が難しい事です。

   又、薄く(1cm程度)敷いた土の表面を、綺麗な面にする必要があります。

   即ち、粘土で作品の口径程度のドーナツを作り、轆轤上に据えたら拳固で表面を叩き、轆轤に

   圧着させます。粘土は伸びて口径より大きくなります。表面は凸凹していますので、「カンナ」

   を使い、表面を水平にします。

 ③ 「シッタ」を使う方法。

  )3~5分程度水に漬し、程度十分水を吸収させた素焼きの「シッタ」を、轆轤の回転盤上に

  据えます。 その際、「シッタ」もセンター出しをしておけば、次の作業も楽になります。

  「シッタ」は3点の粘土で轆轤上に固定させます。尚、水に漬すのは、止めの粘土が「シッタ」
  
   に密着させる為です。

  )「シッタ」の頭にドーナツ状の土を載せ、直接作品と接触しない様します。

  ) 更に、このドーナツ状の土を、「カンナ」や「竹へら」を使い綺麗にします。

   先ず、上面を平らにします。

   a) 作品を「シッタ」の内側で支える場合は、ドーナツの内側を綺麗な円にし、角部を45度

    の角度で面取ります。

   b) 作品を「シッタ」の真上又は、外側の角で支える場合には、外側の角を45度程度面取り

    しておきます。

  ) 利点として、轆轤の回転盤より径の大きな作品(大皿など)も、轆轤上に据えることが

   できます。 更に口径が細く、そのままではひっくり返す事が出来ない作品でも、「シッタ」

   を使えば、胴体部分で支える事で安定的に、保持する事ができます。

   又、口縁の形が極端に変形させた作品であっても、その器の内側から「シッタ」で支える事で、

   十分保持する事が可能です。

   背の高い作品でも、「シッタ」で途中を支える事で、安定した保持が可能です。

  ) 欠点として、「シッタ」上でセンター出しをする事がかなり、難しい事です。

   即ち、「シッタ」上では少しの傾きでも、削る部分は大きく首を振る事になります。

   又、作品の形に応じて、「シッタ」の形が異なりますので、数種の「シッタ」が必要です。

   何より削り出す前の準備が必要な点です。

4) 実際にセットする。

 ① センター出し。

以下次回に続きます。
   
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