わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 31 作品を形造る 3 径を細める1

2014-09-21 22:33:32 | 電動ろくろ入門
2) 直径を細くする場合。

 一般に、直径を細くする事は、広げるよりも困難が伴いますので、なるべく細くする行為は敬遠

 したいですが、形造りでどうしても避けて通れません。

 ① 直径を細くする場合は、以下の状況の時です。

  ) 土を上に伸ばした際、振れを直したり、予防する為に行います。

    背が高くなればなる程、口径が広がれば広がる程、振れが発生しその振れ幅も大きくなり

    ます。そこで、振れが発生する前に、細く絞る事が大切になります。

    又、振れが発生した直後に細くする事で、振れを直す事ができます。

  ) 所定の寸法より口径が広がり過ぎた場合にも、所定の寸法まで径を細める事があります。  

  ) 端反りとは反対に、口縁を内側に湾曲する鉢や碗を造る際にも、径を細くします。

     又、蓋物と呼ばれる器でも、口径を細めてから、蓋を設ける形の場合にも、口径を細め

    ます。

  ) 形造りで径を細くする代表的な事例は、首を作る場合です。

    徳利の首、鶴首など極端に細くなる形の物です。その他に壷の首を造る際にも、細める

    必要があります。その他、瓢箪型の器を作る際にも胴体の一部を細めます。

 ② 径を細めると土はどうなるか?

  ) 一般に細める事で背が高くなります。

  ) 胴の中程を細めると、背が低くなる場合があります。

     瓢箪型やラッパ状に胴体の中程を細める事も稀ではありません。

  ) 径を細めると、肉厚が厚くなります。(尚、広げる際には薄くは成りません。)

  ) 極端に肉厚の薄い場合、径を細める事ができません。

    即ち、ある程度肉厚が厚い場合にのみ、径を細める事ができます。

    又、水を吸い過ぎて、土に腰がなくなった場合も、細める事は困難です。この様な場合、

    土を若干乾燥させた後に、轆轤挽きすると、細める事が出来る場合があります。

    特に、口縁部付近は肉が薄くなり勝ちで、思う様に径を細く出来ない場合もあります。

 ③ 径を細くする方法。

   土には常に遠心力が働いている為、土の逃げ場を無くす様にし、上手に締めないと細くは

   成りません。

  ) 両手の手のひら(掌)を真横にして、全体で抱え込む様にして、下から上に移動させ、

    振れを防ぎます。その際の注意点は以下の事です。

   a) 両腕の肘(ひじ)は太ももに付け、固定します。

   b) 両手の親指は人差し指の付け根に付ける。

   c) 両手で一周できない場合、指先側と手首側の隙間を、同じ位にします。

     さもないと、隙間の広い方に土が逃げ、効率良く細くする事はできません。

  ) 両手の親指と人差し指(または中指)、及びその中間部(両指の付け根部分)を使って

   径を細くする。直径がやや細い場合には人差し指を、やや太い場合には中指を使います。

   当然、指は土の表面を滑る様に、水を付けて下さい。

   a) 即ち、左右四本の指の腹全体で抱え込みます。他の指は土に触れない様にします。

   b) 四本の指はほぼ水平にして使います。この場合も上記同様、土の逃げを無くします。

   c) 主に、壷や花瓶の首や、瓢箪のくびれ部分に使う方法で、一番細い処で強く締めその

    近辺では徐々に力を弱めます。

   d) 締め付けている時間も大切です。強く締める処は、若干時間を掛けます。場合によっては

    その場で手が止める事も必要に成ります。

  ) 両手の三本の指(計六本)を使う方法。

    親指、人差し指は指先を使い、中指は内側に折って第二関節部を使います。

    上記)で述べた場合より、更に径が細くなった場合に使う方法です。

    この場合、土の逃げ場が左右前後の四箇所になります。その逃げ場はなるだけ均等の隙間に

    する事です。この場合も、下から徐々に力を入れ、最も細い場所では、力を入れた後、

    徐々に力を抜いて、口縁まで移動させます。

  ) 両手の親指と人差し指の指先で、土を締めます。

   (四本の指先以外の指は、土に触れません。)

    上記)より、更に径が細くなった状態の時使用します。土の逃げ場は四箇所になります。

    四本の各々の間隔は一定にすると、上手くいきます。

  )その他の方法。

   a) 内側の指を下にし、外側の指を上にし、下側の指の上に被せる様に土を内側に丸め込む

    方法もあります。この方法では、必ずしも効率良く土が細くなる訳ではありませんが、

    覚えておくと、後々便利です。

   b) セーム皮を使う方法。指を内側に捻って(親指が上、人差し指が下に成る様にして)、

    皮で拭きます。この場合細くする量は少ないです。

以下次回に続きます。  
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