わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 4 轆轤作業前の予備知識 2

2014-08-22 21:51:32 | 電動ろくろ入門
3) 轆轤作業に必要な用具類。(前回の続きです。)

  轆轤作業で使う用具は次の様な物です。用具は轆轤の近くに、出来るだけ整然と並べて置きます

 ① 水と水を入れる器。材質は問いません。

   手を濡らす事が目的ですので、片手がすっぽり入る程度の、径と深さが必要です。

   水は綺麗な水である必要はありません。但し、色の付いた水の場合、その色が粘土に付く

   恐れがあります。冬場ではお湯を使います。

  ② 竹箆(へら)や剣先(針)、弓、切糸類。

   ) 竹箆は、形を整えたり、轆轤から作品を取り上げる際に、切り口を固定したり、底周辺

     の余分な土を剥ぎ取る時に使います。

   ) 剣先は、土に空気が入っている時に、つついて空気を抜きます。

   ) 細い針と弓は、高さを揃えて切る場合に使います。弓はある程度大胆に切り取る時に

     使い、細い針は、切り取る量を出来るだけ少なくする時に使います。

   ) 弓は、制作途中で、粘土の高さに差がある場合に、高さを揃えるために使います。

     細い針も弓と同様に使いますが、針の方が「ケチッテ」切り取れます。

   ) 切糸(シッピキ)は、轆轤上より作品を取り上げる際、切り離す為に使います。

  ③ コテ(鏝)類。

   広い面積を押さえるには、コテが最適です。コテにも色々種類があります。

   一般的には、万能コテを使う事が多いですが、作品の形に応じて、専用のコテを用意している

   方も多いです。

   又、袋物と呼ばれる、口が細く胴体の膨らみのある形の作品は、内側に手が入りませんので、

   棒状の柄コテ(えこて)を使います。

  ④ 皮(鹿皮)、布類、スポンジ。

   ) 皮は、水を付けて使います。仕上げの際、口縁を拭き、細かな傷を消したり、土を

     締める働きがあります。口縁を拭く際、ひねりを加えると端反り等、変形させる事も

     できます。

   ) 布類は、荒目の土を轆轤挽きする際、手指を保護する為に使います。

     又、布を濡らして使う事により、水切れを防ぎます。

     更に、皿など円盤形にした土の土殺しの際、内外上から力を加え、綺麗な円を出すのに

     使います。

   ) スポンジは轆轤挽きした直後に、作品の底に溜まった水を吸出し、底割れを防ぎます。

     袋物と呼ばれる細長い形の作品は、棒の先にスポンジをくくり付けて使用します。

  ⑤ トンボ、スケール、コンパス類。

    いずれも、作品の大きさを測る用具です。

   ) トンボは、細い棒(竹ヒゴ等)など十字形をした物で、深さと口径を同時に測定する

     用具です。深さ方向、又は径方向のパーツを交換して使います。

   ) スケール(定規)は、作品の高さと口径を測る際に使います。

      コンパスは、胴の太さを測定する場合(外径)や、蓋物の口縁の内径を計る時に使い

     ます。 前者の場合は「外パス」を、後者の場合には、「内パス」を使います。

  ⑥ その他、椅子、足置き、亀板、手板、手拭(てぬぐい)類。  

   ) 電動轆轤の種類によっては、轆轤と椅子が一体に成っている機械もありますが、一般的

     には、轆轤は単体で販売されている事が多いです。それ故、椅子は自分で用意するか、

     教室で用意された椅子を使う事になります。

    a) 後日、お話しする予定ですが、轆轤作業は上体を強く前屈する為、腰を痛め易い姿勢を

     長時間保つ事になります。その為、疲れない椅子が理想ですが、人により異なります。

    b) 不安定な椅子は論外ですが、立派な椅子も使い辛いです。轆轤の前で座りっぱなしは

     腰に負担がかかる為、時々椅子から立ち上げる事を薦めます。

     その為にも、楽に座ったり、立ったり出来る椅子が欲しいです。

    c) 轆轤作業は、泥や泥水が大量に発生します。その為、布製の椅子は泥で汚れてしまい

      ますので、不向きです。

   ) 足置きは左足を乗せる台です。左右の足の膝頭の高さを揃える事が目的です。

     特に、右回転の轆轤の場合、左手が基準に成りますので、手指を安定した位置に保持する

     必要があります。     

   ) 亀板は、轆轤上に据えて使います。大きな作品の場合や、不安定な形の作品は、轆轤上

    より取り除く際、形が崩れ易いです。そこで亀板上で作った作品を亀板に載せた状態で

    取り去れば、形の崩れを少なくする事が可能です。更に、轆轤の天板にぴったり嵌め込む

    形状で有れば、再度轆轤上にセットしても、作品の中心が取れていますので、その続きの

    轆轤作業を行う事ができます。

  ) 手板は、轆轤挽きした後、糸で切り離した作品を取り上げ、載せる板です。

    一個乗せる場合と、数個並べて置く、細長い板があります。この板毎乾燥させ、後日底削り

    を行います。

  ) 手拭類は、手に着いた泥や濡れた手を拭く物です。

    作品を轆轤上より取り除く際、手や指に水分が付いていると、滑って取り上げる事が

    出来ません。 そこで、泥や水分を拭き取る必要があります。

4) 底削りに必要な用具。

以下次回に続きます。
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