わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 37 底削り 4

2014-09-27 21:30:51 | 電動ろくろ入門
5) 作品を轆轤上に粘土で固定する。

  作品のセンター出しが終わったら、その作品が移動しない様に、固定する必要があります。

 ① 削り作業中に、轆轤上より作品を落とさない様に注意。

  良くある事故で、誰でも一度や二度程度の経験があるはずです。即ち、カンナ(鉋)などが

  作品に食い込み引っ掛ける事は、決して珍しい事ではありません。その際、作品が轆轤上に

  固着していなければ、轆轤の遠心力との関係で、「ドベ受け」との間に落ちてしまいます。

  こうなると、作品に大きな傷が出来ると伴に、変形や割れが出て作品には成らなくなります。

  その為、少々の事では轆轤上より落ちない様に粘土で固定します。

  尚、「内シッタ」を使う時には、作品は特別固着しない場合が多いです。(後で説明します)

  ) 止め土は軟らかめの物を使う。

   作品の周囲を押さえる為には、当然作品の硬さより軟らかくなければなりません。

   但し、柔らか過ぎると、押さえる力が弱くなり、更に作品にくっ付きます。

   尚、作品が乾燥し過ぎている時も、粘土が作品に密着しませんので、スポンジ等で、水拭き

   しておきます。

  )「シッタ」を使わない場合。

   a) 粘土を紐状にし、約三等分します。紐の太さや長さは、作品の大きさに応じて決めます。

   b) 作品の周囲に略三等分の位置に止め土を置いていきます。その際、紐の両端を轆轤に押し

    付け紐を固定します。これは仮止めです。

   c)  底面を手のひら(掌)で軽く押さえ、粘土をしっかり止めていきます。

    注意点: 仮止めせずに最初からこの作業を行うと、必ず作品が移動し、センターを出した

     意味が無くなり、再びセンター出しをする必要が出てきます。

   d) 止め方は、紐の太さの約半分を轆轤側に押し当て、残りを作品側になすり上げます。
   
     即ち、親指で土を潰す様にして数箇所を、轆轤に押し付けます。作品側は人差し指を使い

     下から上に土を伸ばしながら、なすり上げます。力を入れ過ぎると作品に「ひびや割れ」

     が発生しますので、弱い力で十分です。尚、背の低い作品ならば、作品側に土を寄せる

     程度で十分です。

   e) 背の高い作品の場合は、上記だけの方法では不十分です。

     即ち、作品の胴の部分を支える必要があります。背の高い場合、「テコの原理」で小さな

     力でも高い部分では大きな力となり、作品が振ら付きます。その為、太めで長めの紐三本

     を、斜めから立て掛ける様に取り付けます。轆轤に接した部分を、しっかり轆轤面に

     押し付け、作品側の他端はやや平らにし、面積を広げて胴の部分に軽く押し当てます。

     尚、取り付け位置は、先に行った止め土との中間位置が適します。

  ) 「シッタ」を使った止め方。

   a) 先ず「シッタ」が轆轤面にしっかり、固定されていなければ成りません。

     水に漬けて置いた「シッタ」を略中央に乗せ、裾野の三点を太めの紐で固定します。

   b) 「シッタ」上にドーナツ状の土を乗せ、整形します。この事は、前回説明した通りです。

   c)  口縁が細い作品に使う、「外シッタ」の場合。

     作品のセンター出しが終わったら、細い紐(1cm以下)を作り三等分にし、上記ドーナツ

     状の土と作品の間(隙間)に等間隔で入れます。次に、ドーナツ状の外側の土が細い紐の

     上を通過して、更にその上の作品まで伸ばしなすり付けます。三箇所行います。

     以上で完了です。

   d) 「内シッタ」の場合。

     外から止め土で止める事が出来ません。そこで軽く作品の底を押さえ、下のドーナツ状の

     土に押し付けます。即ち摩擦力に頼る事に成ります。

  尚、いずれの場合でも、削り作業中に、作品が「ガタガタ」動く場合があります。こうなると

  削り作業が困難になりますので、轆轤の回転を止め、再度止め土を作品側に寄せて「ガタ」を

  止める必要があります。多くの場合、止め土と作品の間に、隙間が出来る為に起こります。

  ここまでが、削り作業前の準備と成ります。

6) 削り作業。

 以下次回に続きます。
   
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