釉薬は、よくガラス質といわれます。しかし「ガラス」だとは言いません。
この両者は似ている様ですが、まったく同じと言う訳ではありません。
1) 原料としてはほぼ同じ様な成分が入っています。即ち主成分は、珪酸(シリカ、二酸化珪素、SiO2)で
熔融剤(媒熔剤)としてアルカリ類(酸化、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等)
が含まれます。大きな違いは、釉薬にはアルミナ成分(酸化アルミニウム、Al2O3)が多く
含まれている事です。この成分の違は以下の現象となって現れます。
① アルミナ成分は粘性を与えます。
板ガラスやガラス瓶などのガラスは、アルミナ成分が少なく、熔けた状態では、粘度が小さく、
非常に流れ易くなっています。その為、熔けたガラスより空気や気泡などのガスが、抜け易く、
気泡の無い透明なガラスに成ります。尚、美術的価値を持たせる為、わざと気泡を残すガラス製品が
存在しますが、この場合には、アルミナ成分が加えてあると思われます。
② 既存のガラス瓶などを使う。
以前よりある透明、緑、茶色の他に、近年は青(淡い、濃い)、紫、褐色、黒など綺麗な色の付いた
ガラス瓶などが多く見受けられます。これらの瓶を砕き、色ガラスを使って見たいと思っている人、
又は、すでにお使いの方も多い事と思います。気を付ける事は、これらのガラスは流れ易い為、
例えば、粉末化したガラスを、糊(のり)類と伴に器などに振り掛ける事が出来ても、縦方向には
流れ落ちてしまいます。ガラスを有効に使うには、外に流れ出ない作品の内側に使う事です。
代表的な例として、タバコの灰皿があります。この場合、粉末にする必要はなく、大きな塊でも
問題ありません。大きな塊であっても、熔けて水平に成ります。
) ガラスは釉よりも膨張係数(収縮率)が大きいです。
器の内側に入れたガラスは、窯の中で熔けて体積が増えますが、次いで、窯が冷えるに従い、
大きく収縮します。その結果、ガラス部分に貫入(亀裂)が入ります。(亀裂の大きさは、
ガラスの層の厚さによって左右されます。(厚いほど大きくなります。)
ガラス層が厚くなると縮む力が強くなり、器本体を破壊する事があります。
破壊部分は、ガラス部分の最上部です。この部分は円周上に色が白くなっています。
この色が白い部分は、ガラスが一度膨張した時の高さで、冷えて固まり収縮した状態との間です。
それ故、釉の上にガラスを置く場合、この白さが目立たぬ様に、釉の色を白っぽくする事を
薦めます。
) 皿などの、平らな作品に使う時には、ガラスを置く場所に注意する必要が有ります。
一般には、釉を掛けた上に置きます。例え釉の下に置いても、ガラスの方が軽い為、釉の上に
乗っかる形になります。流れ易いガラスは、平坦で水平に広がります。
幾つかの色ガラスをモザイク状に並べ、文様にする事可能ですが、色同士の境界をしっかり
出す事は出来ません。
・ 釉とガラスは見た目が明らかに違います。釉の上のガラスは取って付けた様な感じに成ります。
それ故、私には、わざとらしく、なんとなく品が良くない感じがします。
③ 釉には粘性が必要です。
以下次回に続きます。
この両者は似ている様ですが、まったく同じと言う訳ではありません。
1) 原料としてはほぼ同じ様な成分が入っています。即ち主成分は、珪酸(シリカ、二酸化珪素、SiO2)で
熔融剤(媒熔剤)としてアルカリ類(酸化、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等)
が含まれます。大きな違いは、釉薬にはアルミナ成分(酸化アルミニウム、Al2O3)が多く
含まれている事です。この成分の違は以下の現象となって現れます。
① アルミナ成分は粘性を与えます。
板ガラスやガラス瓶などのガラスは、アルミナ成分が少なく、熔けた状態では、粘度が小さく、
非常に流れ易くなっています。その為、熔けたガラスより空気や気泡などのガスが、抜け易く、
気泡の無い透明なガラスに成ります。尚、美術的価値を持たせる為、わざと気泡を残すガラス製品が
存在しますが、この場合には、アルミナ成分が加えてあると思われます。
② 既存のガラス瓶などを使う。
以前よりある透明、緑、茶色の他に、近年は青(淡い、濃い)、紫、褐色、黒など綺麗な色の付いた
ガラス瓶などが多く見受けられます。これらの瓶を砕き、色ガラスを使って見たいと思っている人、
又は、すでにお使いの方も多い事と思います。気を付ける事は、これらのガラスは流れ易い為、
例えば、粉末化したガラスを、糊(のり)類と伴に器などに振り掛ける事が出来ても、縦方向には
流れ落ちてしまいます。ガラスを有効に使うには、外に流れ出ない作品の内側に使う事です。
代表的な例として、タバコの灰皿があります。この場合、粉末にする必要はなく、大きな塊でも
問題ありません。大きな塊であっても、熔けて水平に成ります。
) ガラスは釉よりも膨張係数(収縮率)が大きいです。
器の内側に入れたガラスは、窯の中で熔けて体積が増えますが、次いで、窯が冷えるに従い、
大きく収縮します。その結果、ガラス部分に貫入(亀裂)が入ります。(亀裂の大きさは、
ガラスの層の厚さによって左右されます。(厚いほど大きくなります。)
ガラス層が厚くなると縮む力が強くなり、器本体を破壊する事があります。
破壊部分は、ガラス部分の最上部です。この部分は円周上に色が白くなっています。
この色が白い部分は、ガラスが一度膨張した時の高さで、冷えて固まり収縮した状態との間です。
それ故、釉の上にガラスを置く場合、この白さが目立たぬ様に、釉の色を白っぽくする事を
薦めます。
) 皿などの、平らな作品に使う時には、ガラスを置く場所に注意する必要が有ります。
一般には、釉を掛けた上に置きます。例え釉の下に置いても、ガラスの方が軽い為、釉の上に
乗っかる形になります。流れ易いガラスは、平坦で水平に広がります。
幾つかの色ガラスをモザイク状に並べ、文様にする事可能ですが、色同士の境界をしっかり
出す事は出来ません。
・ 釉とガラスは見た目が明らかに違います。釉の上のガラスは取って付けた様な感じに成ります。
それ故、私には、わざとらしく、なんとなく品が良くない感じがします。
③ 釉には粘性が必要です。
以下次回に続きます。
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