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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉薬とガラス 3(釉の三要素)

2011-10-21 22:24:22 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
3) 釉の三要素(一酸化物、二酸化物、三酸化物)

   一酸化物とは、酸素が一個付いた物質です。具体的には、一般に「アルカリ元素」と呼ばれる物質で、

   Na2O、K2O、CaO、MgO、BaOなどです。

   同様に二酸化物とは、酸素が二個付いた物質で、代表が二酸化珪素(珪酸、シリカ、SiO2)で、

   「酸化元素」と呼ばれています。

   三酸化物は、三個の酸素が付いた物質で、主に酸化アルミナ(Al2O3)で、「中性元素」又は

   「アルミナ成分」と言います。

   以上の事は、以前よりお話ししている事で、一(二又は三)酸化物という言葉に置き換えただけです。

 ① 釉のガラスの本体は、二酸化珪素(珪酸、シリカ)です。

   シリカのみでガラスが出来ます。但し、シリカ単体で熔ける温度は、1685℃と高温です。

   一度熔けて固化したガラスは、規則正しかった珪酸の結晶構造が、不規則な構造(アモルファス)に

   成っています。即ち、再結晶化を防ぐ様に働き、より透明度のあるガラスに成ります。

 ② 一酸化物質の「アルカリ元素」と、「アルカリ土類」(Ca、Mg、Zn、Sr、Ba、Pbなど)は、

   二酸化珪素の融点を下げる、媒熔剤として働きます。即ち二酸化珪素の結晶構造に作用して、

   その構造を壊す働きをし、構造が弱くなった結果、熔ける温度が下がり、物理的、化学的にも、

   弱く成り、流れ易くなります。

   アルカリ成分が多くなれば、熔ける温度(融点)は下がります。但し或る限度以上になると、

   釉は熔けなく成り、ガラスに成りません。即ち、珪素と酸素のバランスが崩れ、酸素が多く成った

   結果です。限界は珪素:酸素 = 1:15~20程度と言われています。

 ③ 三酸化物(中性酸化物、主にアルミナ成分)

   アルミナは状況に応じて、媒熔剤として働いたり、逆に二酸化珪素の結晶構造を修復する

   働きをします。釉として使用する場合は、後者の場合が多く、粘性を増して流れ難くし耐火度を

   高くします。

4) 三要素の原料

  珪石はほとんどが二酸化物のSiO2で構成されています、石灰石もほとんどがCaOです。

  カオリンは、50%程度のSiO2と、40%程度のAl2O3から成っています。

  長石は、三要素を全部含んでいます。それ故、釉を調合する際には、どの材料を使うかによって、

  釉の性質も変わってきます。

  特に、SiO2とAl2O3は、原料の種類が或る程度限定されますが、一酸化物には種類が多く、

  その種類によって、釉に違う効果をもたらします。

 ① 一酸化物の種類と効果

以下次回に続きます。

   
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