わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯焚き一生2(窯焚きの種類)

2011-06-28 21:59:37 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
「窯焚き一生」の諺について、私なりの考えを、述べたいと思います。

2) 窯焚きの種類

   窯の焚き方には、作品の製作過程や、作品に応じて、以下の方法があります。

   ① 素焼き、 ② 楽焼、 ③ 本焼き、④ 上絵付けの為の焼成です。

  ① 素焼きは、釉を安全に掛ける為に、今では必要な作業です。

   ) 一般に700℃~800℃の範囲内で、作品を焼成するものですが、窯を焚く技術を、

     習得するのに、一生掛かる物とは、思われません。ある程度の「コツ」を習得すれば、

     容易に窯焚きが可能で、難しい作業では、有りません。

   ) 素焼きで注意する事は、230℃~300℃の範囲内は、極力温度上昇を、ゆっくりさせる事

      です。1時間に100℃以下(出来れば80℃程度)に抑える事です。

      水蒸気爆発を防ぐ為です。200℃位までは、早いスピードで温度を上げても、比較的安全

      です。尚参考までに、私の窯(プロパンガス、自然燃焼、容積約0.33立米)では、

      30分位で200℃まで昇温させても、問題なく素焼きが出来ます。

   ) 素焼きする前に、十分乾燥させて於けば、少々乱暴に焚いても水蒸気爆発は、起こりません。

      更に注意する事は、窯の焚き始めは、窯の中の温度差が大きい事です。窯が大きければ、

      大きい程温度差は、大きくなります。窯の上部と下部では50℃程度の差があるのも、

      稀ではありません。それ故、全ての作品が、この温度以内にある時は、注意が必要に成ります。 

      この差を考慮して、200℃~330℃の範囲でゆっくり上昇させる事です。

   ) 上記温度範囲を脱すれば、1時間に120~150℃の温度上昇でも、素焼きに失敗する事は

      有りません。(あくまで私の経験上の、話です。多くの本では、かなりゆっくり、

      温度を上げる様に、解説していますが・・

      それ故、約4時間で、素焼きを終わる事が出来ます。

   ) 特殊な方法に、素焼きを1100℃程度で行い、釉を掛けて、更に低い温度で焼成すつ

      方法もあります。(上絵付けの方法で、絵付けをする方法等です。)

 ② 楽焼でも、窯焚き一生と言う程、窯焚きが難しい事はありません。

   ) 素焼きし、施釉した作品を、1050~1100℃程度に暖めた窯の中に、作品を10~20分程度

      入れて、釉を熔かします。熔けた事を確認後、窯から引き出します。

   ) それ故、窯を焚く作業は、他の窯焚きに比べて、ほんの一瞬とも言えます。

 ③  本焼き

    この本焼きこそが、窯焚き一生の対象と成る作業です。

    詳細については、今後順次お話したいと思います。

 ④ 上絵付けの焼成

    本焼き後に絵付けした作品を、800℃程度で、焼付ける方法です。

    この場合は、単に所定の温度に、温度を上げる作業ですので、特別難しい事でもありません。

    雰囲気は、酸化焼成に成ります。
    
 ◎ 結局、「窯焚き一生」とは、本焼きの窯を焚く作業の事に成ります。

   (他の窯焚きにも、色々問題が有るかとも思われますが・・・)

以下次回に続きます。

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