goo blog サービス終了のお知らせ 

わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

粘土、釉薬について

2008-06-04 22:43:12 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
粘土も釉薬も、その成分は同じです。

 1) 違いは釉薬が粘土より100℃以上融点が低い事です。

   イ) 粘土は一般に自然界にある水成岩(堆積岩)から採りますが、釉薬は

     各種成分を調合して作ります。

  ・ 堆積岩とは、岩石が水、熱、風その他の力で粉々に砕け、水と伴に川

     や池、沼に流れ込み、堆積した物です。岩と言っても、粘土の塊です。

   ロ) 融点を低くする為、溶媒としてアルカリ土金属や酸化亜鉛や各種灰等

     をいれます。 アルカリは粘土にも若干入っています。

    ・アルカリ土金属 (ナトリウム、カルシュウム、カリュウム、バリュウ

     ム、マグネシュウムなどです)

    ・灰も上記アルカリ成分と、若干の金属を複数含んでいます。

     灰の種類(松、藁、土灰など)、植物の部位(根、幹、茎、枝、葉)、

     取れた時期、取れた場所などに拠って、その成分に差があります。

   ハ) 粘土と釉薬の主成分は、

     アルミナ(化学記号=Al2O3)と、シリカ(化学記号=SiO2)です。

     (アルミナとシリカは、全ての岩石の主成分です)

     ・釉薬の調合では、主に長石やカオリン、珪石を使用します。

 2) 釉薬は色を出す為、各種金属が入っています。

   イ)灰も微量ながら、色々な金属を含んでいます。

   ロ)鉄、銅、錫、亜鉛、チタン、コバルト、二酸化マンガンなどです。

    ・ 鉄は、弁柄、黒浜、砂鉄、鬼板、黄土など色々有りますが、どの鉄を

      使うかに拠って、その効果(色など)違います。

   ハ) 色は酸化炎、還元炎など窯焚きの仕方に拠っても、変化します。

 3) 粘土、釉薬は種類も多いですので、ここでは、基本的な事項に付いてのみ

   述べたいと思います。

   イ) 粘土は自分で採取して、オリジナルの土を使う事も可能です。

    ・注意する事は、その粘土の耐火度を試し焼きして、調べておく必要が

     あります。 耐火度が低いと、作品本体が軟らかくなり、変形します。

    ・耐火度が低い場合(赤土に多い)には、より耐火度の高い土(白い土が

     多い)を混ぜて使用すします。

    ロ) 一般的には市販の粘土を使用します。

     ・粘土の種類も多く、好みの土を見つけてください。

    ハ) 釉薬も無数の種類が市販されています。

     ・同じ名前の釉薬でも、メーカーによって違いがあります。

     ・窯の種類、窯の焚き方に拠っても、焼き上がりに差が出ます。

     ・陶器の産地に拠って、特有の釉薬があります。

      基本的には、その産地の土に、その産地の釉薬を使います。

      (萩釉、志野釉、唐津釉、信楽焼釉、益子焼釉などです。)、

    ニ) 釉薬もオリジナルの物を調合する事も出来ます。

     a) 注意する事は、窯の温度を何度まで上げるのか(何度で焚くのか)

      を決める事です。

      それに拠って釉薬の成分割合を変え、調合します。

     ・アルカリ成分が多くなると、融点が下がる。

     ・酸化亜鉛や鉛が入ると、融点は下がる。

     ・アルカリ成分に対して、アルミナ、シリカ成分を相対的に、少なくす

      ると、融点は下がる。

     b)釉薬が、透明、不透明(乳濁)、光沢釉、マット釉、かを決める。

      一例ですが(陶器用)、

     ・透明釉 アルミナ:シリカ=0.3 : 2.5 (単位はモル)

       (モルとは、分子量をググラム数で表した物で、化学用語です。)

     ・乳濁釉  透明釉より「シリカ」成分を増やす。

     ・マット釉 透明釉より「アルミナ」成分を増やす。

      C) その他、流れ易い釉薬、ひび釉(貫入釉、亀裂釉)、結晶釉(亜鉛

       チタン、マンガン、鉄など)など、色々有ります。

     d) オリジナルの釉薬を作るには、各種調合と、多くのテスト焼きをす

      る必要があり、時間も掛かります。あれもこれもと、手を出さず、

      数を絞って挑戦して下さい。

      
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本焼き (酸化、還元) | トップ | 上手になる方法 (最終章) »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤」カテゴリの最新記事