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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る87(壷22、面取り壷を作る5)

2013-05-27 21:57:37 | 陶芸入門(初級、中級編)

5) 型を使った面取り方法。

   ① タタラ(粘土板)を組み合わせて面取りの壷を作る事も可能です。方形(四角形など)の

      単純な形の場合は、比較的容易に貼り合わせの技法で、作品を作る事も出来ますが、

      複雑な形の面取り壷と成ると、多数のタタラを貼り合わせる際に、外部又は内部から

      タタラを支えるガイド(木製やダンボールの枠など)が必要になります。

   ② 上記の様に、ガイドを用意するならば、むしろやや強固なガイドを作りこれを型として

      利用しおた方が、手っ取り早いかも知れません。この型に一枚の大きめなタタラを押し

      込んで、型通りに形作った方が貼り合わせの手間が若干省けます。

      あの有名な「信楽の狸」も割型に大きなタタラを押し込んで、形作っているとの事です。

   ③ 型は外型(内側に作品ができる)ですので、割り型になり、幾つかの部品(パーツ)を作って

      から、全体を組み合わせ接着します。  接着痕が見え無い様に丁寧に仕上げます。

    ) 型を作る時に重要な決まり事は、「逆テーパー」にしない事です。逆テーパーにすると、

      土が型から離れなくなってしまいます。どうしてもその様な形にしたい場合には、その部分で、

      型を割る必要があります。

    ) 型離れをよくする為、型の内側や、タタラの外側に片栗粉などを塗っておくと、良い結果が

       得られます。

    ) 狭い場所でも、型にぴったり張り付く様に、土を押し込みます。即ち型との間に空間を

        作らない事です。それには、内側より何かの用具を使って土を押し込めます。

   ④ 鋳込みの技法を使う面取り壷。

     同じ形の作品を数多く作る際や、制作し難い作品に利用する方法です。

     独自の型を作るまでが大変な作業ですが、型が出来てしまえば、ある程度容易な作業と

     成ります。

    ) 独自の石膏型を作る。

      a) モデルとなる作品を作る。モデルは外観が大切で、必ずしも空洞である必要はありま

       せん。一般的に土で作りますが、発泡スチロール等の他の材料を使ってももかまいません

       作り易い材料を選ぶ事です。

      b) 作品に応じて型の分割数を決めます。数が多い程面取りの面が綺麗に成ります。

      c) どの様に型を作るかは、ここでは述べませんが、興味のある方は、調べて下さい。

    ) 型は石膏製の型で、泥状にした土を型一杯に流し込みます。泥状の土も水分が石膏に

       吸い取られ、表面より固まってきます。

    ) 頃合を見て、型の中の泥を外に捨て空洞にします。

       型の乾燥度合いと、泥を捨てるまでの時間が長い程、肉厚が厚くなります。

       更に時間を掛けて、乾燥させてから型から外します。

    ) 型から外すと必ず割り型の痕が残りますので、綺麗に剥ぎ取り磨く必要が生じます。

       型は乾燥させれば、壊れない限り何度でも使えます。

以上で面取り(壷)に付いての話を終わります。次回は別のテーマでお話します。     

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