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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る84(壷19、面取り壷を作る2)

2013-05-22 22:52:23 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 轆轤で作った壷を、鋭利な刃物などで面取りする。(前回の続き)

   作品は、時間を掛けて、じっくり乾燥させ、表面から肉部まで、できるだけ均一に乾燥させます。

   作業途中で、刃物が引っ掛かる様な、土の抵抗が無い様にします。

  ④ 稜線が見所と成ります。

     面取りを行う前に、底削りなどの轆轤作業は終わらせておいた方が良いでしょう。

   ) 面取りの面白さは、面取りと面取りの境界線である山の部分(稜線)の仕上げいかんに

      よって、良し悪しが決ります。「ジグザク線」や「フラフラ線」などと線が乱れずに、綺麗な

      直線や曲線の一本線になっている状態が理想的です。

      切り取り過ぎると、全体のバランスが崩れます。切り過ぎない様に出来れば、肉厚を確認

      しながら削る事を薦めます。

   ) 面取りの方向は、一方方向に削り取るのが一般的です。

      即ち、上から下へ、又は右上から左下へ、逆に左上から右下へと成ります。

      但し、上下に分けて、上部は右上から、下部は左上から面取りを行う事は出来ます。

      又、刃物の移動方向もなるべく一定方向で使うと、削る量の感覚が掴み易いです。

      但し、瓢箪型の様に途中がくびれた形状の壷は、幾つかの種類の刃物を使い分ける

       必要があります。

   ) 稜線が平面交差や立体交差する作品も見受けられますが、これはかなり高度の技術と

      根気が必要になります。

      手で削り取るだけでは困難で、一部土を盛る(足す)必要が生じるからです。

      この様な作品では、多分型を使っていると思われます。

   ) 面取り部分に文様を施す場合もありますが、折角の面取りの効果が薄れますので、

      なるべくなら、行わない方が良いでしょう。

  ⑤ 目の錯覚で平らな面が膨らんで見える。

    ) 弓や刃物で平らに切り取った面も、面の中央がやや膨らむ(凸状)様に見えます。

       細い面取り幅であれば、ほとんど問題に成りませんが、面取りの幅が広いと、この現象が

       大きくなります。

    ) 出来れば真平らではなく、若干凹状態にすると出来上がった時、真平らに見えます。

       即ち、切り取った境は、富士山の稜線の様にやや凸の状態にします。

       その為にも、削る道具を工夫するか、「Rの大きい丸いカンナ」で仕上げ、面の中央部を

       やや凹ませると良い様です。

  ⑥ 面取り部分は肉厚が薄くなり、稜線部分は他より肉厚になります。

     この肉厚の差が、乾燥時に形の狂いとなって現れる場合があります。

     最悪の場合には、「ひびや割れ」を起こす事もあります。 

     作品全体に面取りする際、面の数が少ない程、肉厚の差は大きくなります。    

  ⑦ 稜線部分は尖がっている為、釉が載り難く、釉の厚みも薄くなり勝ちです。

     その為、釉によっては、稜線が強調されます。

2) 変形させて面取りを行う。

以下次回に続きます。

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